07.短剣の神器

 【 地下150F - 黄金の街 イザヴェル 】



 『黄金』というだけあり、街はかがやかしく、そこら中に金らしき物が装飾そうしょくされていた。そういえば、そんな街だったな。


 俺はこの街は、素通りしてしまっていたので、詳しくは分からない。


「ポルカ。案内よろしく」


「はい、お任せください。まずは、自分の家を見に行ってみますか。もし、残っていればそこで体を休めましょう」


 俺とルペコは、ポルカについて行くことにした。



 へぇ、しっかし活気もあるし、商売繁盛はんじょうしているな。

 どこもかしこもショップだらけだ。


 しかも『ブラックスミス』も多いな。ああ、鍛冶屋かじやさかんなんだ。


 よく見ると、武器や防具の精錬せいれん躍起やっきになっている人たちが多い。そっか、そういえば聞いたことがある。



「そうなんですよ。この黄金の街なら、精錬成功率が高いんですよ~」


 ――と、俺が考えていたことを、ポルカは読んでいた。


「ポルカ。俺の心を読んだ!?」

「違いますよ。プラムさんの視線を追ったら、鍛冶屋だったので」

「ですよね」


 びびった。

 読心術どくしんじゅつのスキルとか思ったぜ。ま、ある意味は間違ってないけど。



「――ん。ルペコ、ルペコはどこいった!?



 気づけば、ルペコの姿がなかった。

 あいつ、すぐどっか行く!


「あれ、ルペコさん何処どこに…………あ! あそこ!」


 ポルカが見つけたようだ。


 えっと……


 ウソ……



「…………もがぁ! ふぁすけぇて!!」



 なんか、明らかに怪しい三人組の男に捕らえられていた。


「ルペコ! お……おい、そこの人!」


 俺は勇気を振りしぼった。

 前だったら絶対無理だったなぁ……。



「あぁん!?」


「ひぃ……!」


「なんだテメェ~!! オレらはよォ! このブスに用があんだよ!」



 ちょ、え……ブスって……ルペコのこと?


 おいおい、そんな美少女……そうはいないぞ。しかも、猫耳だぞ!


 いや、そうじゃない俺。助けるんだ!!



「どうして、ルペコにひどいことを!」


「酷いことだぁ!? このクソ猫はなぁ、一週間前は俺たちのギルドに入っていたんだ。その時、こいつ『毒』を浴びせてきやがったんだ!!! おかげでヒデェ目にあったんだ! お返ししなくちゃなぁ、気がおさまらねえってモンよ」



 ――――あ。



 やっぱり、そうなんだ……。



「ち、違う……わたし、わざとじゃなくて……」



 分かってるよ、ルペコ。

 今、助けてやるからな。



「……おい、あんた。ルペコを放せよ」


「放せだぁ!? ふざっけんな! この女は俺たちの宿に連れ込んで、今までの分を体で・・払ってもらうんだよォ~! ハッハハハハハ!!」


「ギャハハハハ! そりゃいいぜ!」

「うひょー! こんな美人はそうはいないぜ!?」



 ……ルペコ、泣くな。今すぐ助ける!!



 俺は【神器・シャーゴッティ】――短剣を地面に突き立て、発動した。



『ボルケーノ!!』



 特大の業火ごうかがヤツ等に襲い掛かり、男達だけを焼き尽くす。



「「「ぎゃあああああああああああ!!!」」」



「ルペコ! こっち来い!!」

「うん……!!」


 俺は、手を伸ばし、ルペコを救出した。


「良かった……無事で。ケガとかないな」

「ありがと、プラム……うん。大丈夫」


 怖かったのか、俺に抱きつくルペコ。



「二人ともご無事ですね! いまのうちに行きましょう」



 うわ、いつの間にか、とんでもない人だかりが!


 この人混みにまぎれて……逃げよう。

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