06.地下100Fのボスモンスター

 【 ヘルインフェルノ - 地下100F 】



 少し『セーフティゾーン』を出ると、そこは【ボス部屋】となる。



「ついにか……」



 はじめて【ギルド】でボスにいどむ。

 今は、ルペコとポルカがいる。


 俺は、二人を守りつつも敵を倒さなきゃいけないが――。



 大丈夫。



 俺にはこの【神器】があるのだから。



「――――――」



 先へ進む。


 かべかこまれた広い空間。

 無機質だが、どこか重苦しい雰囲気がある。



 くるぞ……!



 ズシンと落っこちてきた大きなモンスターは――



「なっ……! なんだコイツは……!!」



 見たこともない――『アウズンブラ』なる牛モンスターが召喚された。



「ま、まあいい。いくぞ。ルペコ、支援! ポルカは――出来る限り離れ、魔法攻撃で敵の体力をけずってくれ!!」



 俺は【神器・ウォルフ】を構え――振るった。



 これで……!



 だが、アウズンブラは足も動かさず瞬時に回避した。



「よ、避けやがった……! 俺の【神器】を避けやがっただと……! 仕方ない、間合いを詰めて――」



 走り出す俺は、アウズンブラ目掛けて【神器・ウォルフ】を突き刺そうとする。これなら、ヤツを粉々こなごな粉砕ふんさいできる!!



「っらぁぁぁぁああああ!!」



 ついでに、ポルカの魔法スキル『ライトニングボルト』が降ってきた。ナイス!



「これでえええええええ!!!」



 いった――――!



 だめだ!!



「よ、避けられた……なんつうスピードだ。足が動いていないのに!」


「プラム! わたしが『毒』を! 当たって! 『デッドリーポイズン』!」



 ルペコがその毒を、アウズンブラに向けて飛ばす。



 嘘だろ、当たった――!



 しかも、牛のヤツ、かなり弱ってるぞ……!


 動きがにぶくなってる……大チャンスだ!



「ルペコ……ナイスゥ!! お前は最高の『毒ヒーラー』だよ」



 俺は【神器・ウォルフ】を投擲とうてきし、牛を穿うがつ。




『モォォォォォォォォオオオオオ――――――!!!!!』




 ヤツの体はバラバラにくだけ、ちりとなり始めた。



 そして、



 【 VICTORY 】



 そんな文字が、盛大に表示されたのである。



「……勝った」



「買ったよぉぉぉ、プラム!!」

「や、やりました……やりましたね、プラムさん!!」



 二人とも大喜びで俺にってくる。


「うわ、そんな抱きつくなよ……まあいいか。二人ともグッジョブ」


「うん! 怖ったけど、嬉しい! レアドロップアイテムだってこんなに!」


「お疲れ様です♪ お金もです。これだけあれば、地下【150F】にある街で、いろいろ買い物できますよ~」



「そうだな、地下【150F】つーと……」

「ええ、黄金の街【イザヴェル】ですね。そこは広いですから、いろいろありますよ」

「さすが詳しいな、ポルカ」


「はい。僕は、少しだけ住んでいたことがあるんです。多分、昔の家が残ってるかも」


「へえ。そりゃいい。あるんなら宿代がくな」

「あればですけれどね」



「それじゃ、ちと休憩したら【150F】目指すか。ルペコ、『ヒール』頼むな」



「うん。任せて! みんなを回復してあげるからね!」


 あの自信に満ちた顔。

 すっかり頼りがいのある『毒ヒーラー』になったな。

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