05.安全地帯でのひととき

 【 ヘルインフェルノ - 地下100F セーフティゾーン 】



 この地下ダンジョンは【100F】降りるごとにボスモンターが設定されていた。しかも、ランダム召喚されるので出てくるまで正体が分からない。



 俺たちは今、安住の地『セーフティゾーン』で体を休めていた。


「お疲れ様です。プラムさん」


「うん。ポルカもお疲れさん。いつも、食料とかポーションとかの消耗品の提供すまないな。それと、後衛で魔法もやらせちゃって」


「いえ。それが僕の仕事ですから。それに、その分の報酬をはずんでもらっていますので……僕の方こそ感謝です」


 お……なんて、まぶしい笑顔を。

 キミは、聖女か!


「それと、ルペコ。だいぶ強くなったね。やっと、ヒーラーらしくなったし」

「ううん。これも、プラムのおかげだよ。ありがとね!」


 強くなってきたことが嬉しいのか、ルペコは俺に抱きついてきた。

 うわぁ、なんか良い匂いがする……。



 と、とにかく。



「これから【100F】のボスモンスターに挑む。さっきも言った通り、ランダム召喚だから、なにが飛び出てくるか想像もつかない。もし万が一があれば、すぐ撤退すること。ポルカ、あれを」


「はい、こちらです。受け取ってください」


「この葉っぱなーに?」


 ルペコは見たことないと、それをモノ珍しそうに観察していた。


「お、おいまてルペコ。お前、それ使ったことないのか?」

「うん」

「一度も?」

「うん」

「え……そっか。ポルカ、説明してやってくれ」


「ルペコさん、それは『エスケープリーフ』というアイテムですよ。使うとですね、【ギンヌンガガプ】へ戻れるんです。消耗品なので一度切りですけどね」



 うーん。ルペコのヤツ……『葉』を見たことないだなんて。


 そや、この地下ダンジョンに入る前……


 レベルも俺と同じ『1』だった。


 これは何を意味しているんだろうか。



「へぇ、この葉っぱで街へ戻れるんだ。分かった。困った時は使うわね」


「そうしてくれ。俺がいくら強いって言っても、なにが起こるか分からん。いざとなれば自分の身は、自分で守るんだぞ」



 二人とも静かにうなずく。


 大丈夫かなぁ……。



 そんなこんなで――



 出発。

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