04.マイナー神器

  【 ヘルインフェルノ - 地下70F 】



 随分ずいぶんと地下へもぐった。

 ここからは、強力なモンスターも出始める。危険がともなう。


 俺は、今まで『通常武器』ばかりを使用していた。

 【神器】を使ってこなかったが、そろそろメインウェポンに切り替える必要がありそうだ。



 そうだな、とりあえず――



 この辺りの、普通くらいのウェポン【神器】にしておこ。



「……おし」

「どしたの~?」

「んや、なんでも」


 ルペコは、すっかり『毒ヒーラー』としての地位を確立していた。

 毒攻撃が主だけど、一応、回復も出来るようになった。


 少しは役に立つようになってきたな。



「はい。どうぞ、プラムさん」

「ありがと、ポルカ」



 レア職『マーチャントウィザード』のポルカは、とても万能だった。有能と言ってもいい。


 膨大ぼうだいなアイテムストレージを持ち、しかも、多くの魔法も使える。おかげで、ほんとんど苦労しないようになった。

 食料問題も解決されたと言っても過言ではない。



 ――で、俺。



 前衛の――【村人】(自称)である。



 みんなを守り、モンスターを倒すのが俺の仕事だ。


 尚、【村人】などという職業ジョブは存在しない。

 単にないとさびしいので、そう名乗っているだけだ。



 たった今、俺はメインウェポンを【神器】に切り替えた。

 いくつかある中の一番弱い武器ヤツだが、みんなを驚かせないのと言ったら、これがいいだろうと結論に至った。



「プラム、その武器はな~に?」

「よくぞ聞いてくれた、ルペコ。これは初お披露目の【神器・ウォルフ】つーヤツだ」


「知らなーい」


 そりゃそうだ。


 かなり、マイナーな神器・・・・・・・だからな。


「てゆーか、なんなのこの『かさ』みたいの」

「あー、確かに『傘』だよ。けど、神器なんだ」



「へー」



 ルペコの反応はイマイチだ。あんまり興味はなさそうかも。



「わぁ、なんか凄そうな『傘』ですね!」



 ポルカは反応がいい。うん、このコは本当に素直だな。



 そうこうしていると、『ベロベロゴーレム』が現れた。

 顔に大きな舌ベロをつけた不気味なヤツだ。



「うわ、キモ!」



 俺の心の内を代弁してくれるルペコ。

 確かに、あの見た目はキモイ。


 だが、あれにペロリとされるだけで、防具が溶け、次第に人体も溶けはじめる。大ダメージをこうむる、というわけだ。


 つまり、あのベロは酸性。舐められないためにも接近戦は避けるべき。


 というわけで【神器】の出番。



「じゃ、二人は後ろで見ていてくれ」



 俺は、【神器・ウォルフ】をゴーレムに向けた。


 タンっと身軽に走り出した俺は、手軽い一閃いっせんを放った。



 すると、かなりの距離をノックバック。


 ゴーレムは分厚い壁に激突し、真っ二つに割れ……最後には粉砕ふんさいした。



「うわ…………すご」

「これは驚きですね。軽く振っただけなのに、あの高レベルのゴーレムを一撃で!」



 ルペコもポルカも驚嘆きょうたんし、騒いでいた。



「ふぅ。この調子でこの階は抜けていこう。……お、みんなレベルアップおめでと!」



 ここからモンスターが強力になる分、経験値も美味しかった。



 【リザルト】

 プラム:Lv.56 → Lv.61

 ルペコ:Lv.56 → Lv.61

 ポルカ:Lv.49 → Lv.55

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