彼らには「カサン語を覚えたい」という情熱がある反面、今の自分の国への愛着も薄いのかもですね。この国でこの国のままでいたくないというか、カサンという新しい優秀な国の国民になるために、そちらを重要視してしまっているというか…。
植民地支配にも種類があって、属国として完璧に自国に取り入れるため、元の文化を完全に捨てさせる事を目的としてる国がありますが(母語どころか民族同士の結婚も禁止して、民族自体を消滅させようとしてる節すら)、カサンはそうではないのか、ヒサリ先生だけが母国の文化も大切にするべきという信念なのか。
国の様子や、今までの他のカサン人たちの様子を見るに、ヒサリ先生だけが特別な気もしています。
作者からの返信
MACK様、丁寧に読んでいただいて感激です!
ダビなどは、自分がこの地で差別を受けてきた、という思いがことさら強いので、郷土に対する思い入れが薄く、カサン帝国の価値観により変わって欲しいと願っています。一方マルはカサンへの憧れと同様に郷土の「古き良きもの」への愛着があります。
カサン帝国は、理念としては民族の平等や共栄共存を謳っているけど現実はそうなっていない……といったところですね。
一般のカサン人の多くは何となく植民地人を「未開人」と見下している。その中でもヒサリは彼らを見下さない珍しいタイプの人間ですね。
また遊びにきます
ちがう方の作品ですが、「魔法」が使える人と、使えない人が差別化されている社会を描かれていました。
今回のお話を見て、それを思い出しました。
前述の作品は、それでも「魔法」が使えるようになるんだ……という方向でした。
しかし貴作のように「言語」だと、アイデンティティーにかかわるところなんで、そこは微妙ですね……難しいところです。
立身出世というか、いい暮らしがしたい、という意味では間違っていないところが、特に。
面白かったです。
ではではノシ
作者からの返信
四谷軒様、ありがとうございます!
私もそういった作品、カクヨムで読んだ事があります!
人種差別だの部落差別だの、そういうテーマは忌避されるテーマだと感じてましたが、ファンタジーでは差別を扱った作品がむちゃくちゃ多い……というかむしろ主流、という事が分かりました。みんなこのテーマを書きたいけど「ファンタジーじゃなきゃ書けない」空気があるのかな……と感じてます。
支配民族と被支配民族が普通に同じ言葉喋ってるファンタジーにずっと違和感を感じてましたが、「言語」を意識した作品も結構ある事をカクヨムを読んで知りました。
ダビは川向うのシム先生の学校で、アジェンナ国に生まれたアマン人であることの劣等感を植え付けられたのだろうか
↑
もしそれが本当だとしたら、
今の冷遇から抜け出しもっと人間らしい生き方がしたいという自己肯定感さえもアマン人は奪われてしまう。
まるで洗脳ですよね😣
作者からの返信
憮然野郎様、ありがとうございます!
教育って、どこか洗脳のような所があると思いますね。ましてや植民地支配下にあっては……。高い教育を受ければ受ける程自分の血や自分の育った文化の慣習を否定的に見る悲しい現実が、実際の植民地支配下でもあったと思います。
カサン帝国の支配の過酷な一面がだんだんと明らかになっていく予定です。あくまでも理想を追及し、アマン人や文化を尊重し対等に接するヒサリは、異色のタイプとして設定しました。
負の連鎖によって
頭に叩き込まれた
負の概念は
やはり容易に断ち切る事はできないのだと
二人の少年がヒサリを見つめる眼差しに
感じ取れました。
ヒサリがこれから
どのように教師として向き合っていくのか。
とても興味深いところです。
作者からの返信
遥 彼方様、ありがとうございます!
この二人は自分の受けた差別により、 自分の故郷の言葉、伝統、慣習などに愛着が持てなくなっています。彼らはカサン帝国やヒサリをそんな故郷に伝わるものの全てを消し去っても変えてくれる事を望んでいる……。そんな彼らにヒサリは戸惑いも感じています。