第4話 interlude 始まり

女神は世界を眺める。


女神は他の神に倣い、自分の世界を創造した。

適度に自然を、動物を、そして自分に模した生命を配置した。

女神はその箱庭の全てを愛した。

箱庭の中の生命もまたその愛に応えるように成長する。

ある日、異端として力の強い生命。

後に『魔王』と呼ばれた生命が産まれたが、

それは自身の能力を正しく理解し、

世界に還元する事で世界の発展に寄与した。

他の神に聞いた時にはそのような個体は力に溺れて、

わざわざ他の神の手を借りて討伐したりしたらしいので

女神にはそんな事をする理由が心底理解出来なかった。

世界を廻す為に当事者達以外を使う理由が分からない。

女神の世界は平和だった。

女神も世界を愛していた。

それでも、ふと思ってしまった。

『退屈』だな、と。

女神の世界は平和だった、平和すぎた。

平坦で、停滞の世界。

他の世界で零れた命を拾った。

その世界の神に聞いたら『要らない』という。

ならこの哀れな命は私が預かろう。

私の世界の輝きの一つとして世界を巡って貰おう。

結果。

その異分子は私の世界に深い亀裂を入れた。

不和を呼び、争いを呼び、繁栄を齎して、

勝手に滅びた。

その時、女神は『愉しい』と思った。

こんなものは知らない。

私の世界にはない。

身勝手で、傲慢で、怠惰で、慈悲深い。

あぁ、こんなものは初めてだ。

『要らない』と切り捨てられたモノは沢山ある。

もっと拾ってこよう。

これが当事者以外を使う理由かと女神は思った。

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