第130話 光のページェント
廉 「明日、楽しみだな。」
柚月「うん。凄く楽しみ!!」
電話越しに聞こえる廉の嬉しそうな声。
あたしだけじゃないんだと思うと、明日がとても待ち遠しい。
柚月「明日、何時にする?」
廉 「一緒に飯食いたいから六時半とかは?」
柚月「分かった。じゃぁ、六時半に青のイルミネーション前でいい?」
廉 「了解!!」
『柚月、世界一大好きだよ。』
電話を切る直前、廉があたしにそう呟いてくれた。
そして、あたしもそれに比例するかの様に
『あたしも廉が世界一大好きです。』
お互いに想いを伝え合い、電話を切った。
全てが幸せで楽しくて、嬉しくて。まるで遠足前の小学生の気分。
大好きな廉と、初めてのクリスマスデート。
一緒にご飯を食べて、手を繋いでイルミネーションを見て、『綺麗だね』って笑って。
柚月「ヤバい。楽しみすぎて寝れない・・・。」
指輪を見てはニヤニヤ、デートの事を考えては悶々・・・。
そして、いつの間にかあたしは眠りについていた。
そして、翌朝。クリスマスデート当日。
柚月「あ、まこから電話だ。もしもし?まこ?」
まこ「柚月!準備は万端!?」
柚月「うん!まこ達は何時に待ち合わせ?」
まこ「7時に青のイルミネーション前で。」
柚月「えっ!?(笑)待ち合わせ場所同じだよーっ!」
まこもあたしも、いつになくテンションが高い。
ううん。今日という日を待ち望んでいる世界中の恋人達も、きっとあたし達と同じ様に楽しみで仕方ないだろう。
勿論、恋人達だけじゃない。子供達もそう。
サンタクロースが手紙に書いて送った欲しいプレゼントを、枕元に置いてくれるのを心待ちにしているだろう。
そして、家族で楽しく団欒の一時を過ごすのだろう。
それぞれがそれぞれのクリスマスを楽しみ、『楽しかったね』と笑顔の花が咲きほこる。
柚月「まこ、会えたらいいね!」
まこ「うん!!柚月、頑張ってね!」
柚月「ありがとう、まこ。それじゃぁ・・・」
まこ「あ、柚月!!」
柚月「何!?」
『幸せになろうね。』
この言葉が心に響く。
幸せになりたい。廉と二人で。
幸せを築きたい。廉とこの先ずっと・・・。
『まこもね。』
そう伝え、あたしとまこの電話は終わった。
そして、時刻は午後四時半。
柚月「ちょっと早いけど、出ようかな。」
今日はとびきりお洒落に。廉に『可愛い』って言って貰いたい。
柚月「・・・よしっ!廉、待っててね!!」
軽い足取りで、時折小走りしながら。
電車に乗り約40分。
仙台では有名な『光のページェント』。
十二月二十四日。午後六時半前。
あたしは青のイルミネーション前で廉を待った。
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