異能が続く…誠我はすき焼きを食べる。
この女子高生意外と度胸あるなと思った。時間をあけて来るように言ったとはいえ、見知らぬ土地でちょっと寄り道とか…。まあ住所教えていた訳だし来ることに関しては心配してなかったが人を待たせている感覚は無かったのだろうか?ってかカフェで大きめのパフェとか頼んでなかったか?話している最中も食べていて泣いて出る頃には完食していたし。よく食べられるな。成長途中なのか?いや、高校生ともなればそろそろ成長が止まる時期だよな。
「太らないのか?」
「大きなお世話…こう見えても高校では卓球部に所属しているので太ることは無いです。ってあんた私から何を聞き出しているのよ。」
「いや、心配したからきいただけで能力は勝手に…。」
ってか今日あったばかりの年上の男性に対してあんた呼ばわりですか…。
「質問口調にするから有言実行が発動したんでしょう?普通に言いなさいよ。」
「無茶を言うなよ…。ってか、卓球していることの何が恥ずかしいんだよ?」
「それは…卓球部に片思いの先輩が居るからです。…いやぁぁぁ。」
「おいおい入口で叫ぶな。近所迷惑だろう。早く入れ。」
今どきの恋愛事情を聞き出したつもりは無いのだが、これが今どきの青春というやつか。好きな先輩が居るからその部活に入るとか。俺もそんな片思いされたかったな。いや、高校の時そういえば3回ほど告白されたっけ?部活は漫画研究部だったし2年から部長なんてやっていたがどうしてモテたのかそういえば分からず終いだったな。まあ女子にあんまり興味なかったから3回とも断ったが、2回ほど押しに負けて二三ヶ月付き合ったっけ?あの時はなんで俺モテたんだろう?
「…わかりました。」
早く入れという命令口調で言ったせいか女子高生は早急に靴を脱いですたすたと中に入って行った。
「家の主を無視して中に入らなくてもいいだろ…」
俺は女子高生の後からついて行った。
「あんたが変な命令するからでしょう。」
「確かに俺のせいではあるが。」
「にしても片付いた家だね。散らかっていると思った。」
「流石に人を招くんだ。片付けぐらいするさ。」
「さっき片付けたんだ。」
そういえばこの家に人を招くのは何年ぶりだろう。ずっと前だったような気がする。社会人になってこのアパートを借りてからあんまり人と接したりしなかったからな。もしかしたら初めてこの家に人を招いたのかもしれない。
「もう夜だしお風呂に入りたいんだけど。」
「先に夕食だろ。」
「コンビニで買って食べて来たんだけど。」
「じゃあ1人で食べるか…。」
女子高生はふと、キッチンのにおいてあったビニール袋を見た。
「食材買ってきていたんだ。」
「お前が食べると思ってスーパーで買ってきたんだよ。」
「何を作る予定だったの?食材を見て何となくわかったけど。」
「まあすき焼きだな。お前いらないみたいだし、1人で食べる分だけ焼いて後は冷蔵庫に入れておくから心配すんな。」
「…わかりました。ってまた私に命令しているぅ。」
「この口調をやめたくても癖なんだからやめられねぇんだよ。ってか顔ちかい…。」
「なになに?ドキドキしたの?」
そりゃあ暫く女性と会話しなかったんだ。急に女性に迫られたら流石に年下でも緊張ぐらいするだろと思ったが言うと恥をかくだけなので言わなかった。
「で、お前お風呂入るんだろ?俺は1人で食べているから先に入っていいぞ。」
「1人ですき焼きとか…。」
「俺は慣れているんだから気にすんな。」
「う、うんそうだね…。じゃあ先はいるけど、覗いてきたら怒るよ?」
「だ、誰が年下の裸姿なんて見たがるか!」
「JK好きな大人の人結構いるって友達から聞くけど?」
「それは偏った大人だけだ。俺は年上が好きなの。」
「熟女好き?」
「熟女言うな!ってかそこまで年上がいい訳でもないぞ。」
「なんか細かいね。」
「お前が色々と言うからだろ!とにかくもう制服脱いでお風呂に入れ。」
「やっぱ細かい…わかりました。」
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