お仕事

俺はギャングの一味の人間だ。ちなみに結構偉い。しかし地位相応の肝の座った状態ではなかった。むしろ肝が焦りでのたうち回っていた。


何があったかの、それはこれから幹部会だと言うのに目覚まし時計のアプリはお国側に寝返り、役目を果たさなかったのだ。


あれ?でもまずスマホが見当たらないぞ?と、失くし物に対して苛立ちを覚えていると、不意に後ろからボスの声がした。聞き間違えるはずはない。その瞬間、思考が限界まで加速するのがわかる。加速しすぎてエンストしそうだ。あれ?それ思考止まってね?


しかし何故?!突然の事に思わず少し飛び跳ねながらも着地と同時に急いで振り返る。


「ちっ!貴様ッなにやらかしているんだ」


だいぶ怒っている。普通にヤバイ。


ん?よく見るとボスの顔が一部見えない。窓には鉄格子が入っているようだ。ん、窓?鉄格子?


「命令だ、絶対アジトの場所漏らすな!わかったか?!」


するとボスは颯爽と走り去っていってしまった。



俺から一つ、将来有望な若者ギャングに一つアドバイスだ。誰の下に付くかはよーく考えよう。特に窮地の際に助けてくれる上司がいいと思いますね。

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