パワハラ聖女の幼馴染と絶縁したら、何もかもが上手くいくようになって最強の冒険者になった ~ついでに優しくて可愛い嫁がたくさん出来た~
《聖女パーティー》エルマ視点24:王さまがロリコンとかどん引きなんですけど……。
《聖女パーティー》エルマ視点24:王さまがロリコンとかどん引きなんですけど……。
一応聖女としてベルクアのゼストガルド王に謁見することにしたあたしたちは、玉座の間で彼ら王族の前に跪いていたのだが、
「よくぞ参った、聖女エルマよ。我がこの国を治めているゼストガルドだ。そしてこっちは妻のリフィアと、娘のアイリス、デイジー、ルピナス――」
いや、多い多い!?
どんだけ子沢山なのよ、この夫婦!?
てか、皆同じ顔じゃない!?
え、六つ子!? と内心ぎょっと目を見開くあたしだったのだが、そこでふと違和感に気づき、王さまに尋ねる。
「あの、つかぬことをお伺いしますが、もしかして彼女たちは……?」
「うむ、さすがは聖女エルマ。どうやら気づいたようだな。そう、察しのとおり我が娘たちは皆〝弓〟の聖女である長女――ザナと同じ力を持っている」
「やはりそうでしたか」
って、まだ娘いるの!?
え、王妃さまどう多く見積もっても二〇代半ばくらいなんだけど、一体何歳の時に長女生んでんのよ!?
この子たち10歳くらいでしょ!?
つまりあんな厳つい顔して王さまはロリコンってこと!?
やだぁ!?
「これには少々事情があってな。まあ聖女たるそなたであれば話しても構わんとは思うのだが、彼女たちはザナを元にして生まれた者たちなのだ」
「なるほど。だから皆さん同じ力を有していたのですね。得心いたしました」
いや、理知的アピールで普通に頷いちゃったけどどういうことよ。
もしかして複製したとかそういうこと?
え、そんなこと出来るの?
ロリコン怖っ……!?
「うむ、理解が早くて助かるぞ。見た目通り聡明な者のようだな」
「いえ、私などまだまだ未熟者でございます」
そう謙虚に頭を下げる聖女の鑑――それがあたしである。
まあ王さまが何言ってんのかは正直まったく分かんないんだけど、どうせあれでしょ?
ロリコンだから小さい子に囲まれたいとかそういうあれでしょ?
別にいいわよ、そんなこと詳しく説明しなくても。
王さまの性癖なんて知りたくもないし。
なのであたしは早々に話を切り上げることにした。
「ですが皆さまとても幸せなご様子。どうかこれからもその絆を大切にお過ごしくださいませ」
「ああ、もちろんだ。そなたの心遣いに我ら一同心よりの感謝を申し上げる。本当にありがとう、聖女エルマよ」
◇
そうして城をあとにしたあたしは、道すがら隣の豚に尋ねてみる。
「ところで、ポルコはどのような女性がお好きなのですか?」
「えっ!? い、いきなりどうされたのです!?」
いや、何ちょっと期待したような顔してんのよ!?
まさかあたしがあんたに気があるんじゃないかとか思ってるんじゃないでしょうね!?
そんなわけないでしょ!?
ただのロリコン調査よ、調査!?
「い、いえ、リフィアさまがとてもお美しい方でしたので、やはり殿方は若く美しい女性が好みなのかなと。むしろ若いほどいいのかなと。たとえばあの娘さん方のように」
「な、なるほど。確かに娘さん方もお綺麗でしたが、私個人の意見として言わせてもらえれば――断然リフィアさまですなっ」
豚が男らしい顔でそう断言する。
そうよね、あんたはそういう男よね。
だってリフィアさま――すんごいお胸大きかったもの。
まあでもよかったわ、あんたがロリコンじゃなくて。
なんとも言えない安心感を覚えていたあたしだったのだが、
「――あ、でも聖女さまも全然守備範囲ですので安心してくださいね!」
……はっ?
いや、なんで上から目線で語ってんのよ!?
あんたに選ぶ権利なんてあると思ってるわけ!?
甚だ図々しいわよ、この豚!?
「ふふ、それはありがとうございます」
「はい!」
ぐっと拳を握る豚に、あたしは微笑みを浮かべつつも、内心殺意しか湧いていなかったのだった。
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