第396話 ファンとの会話
「あの、次の曲の発売とか決まっているんですか?」
ミユキは案内している途中でも俺に話しかけてくる。
「次か、まだ何も考えてないね。
気が向いたら作ると思うけど。」
「楽しみに待ってます、あとライブとかしないんですか?」
「ライブか、ふむ・・・やってみるのも面白いかも、今度ミウに聞いてみようかな?」
「是非お願いします!!待っているファンは多くいるんです、私もその一人ですけど・・・」
ミユキは頬を赤く染めていた。
「ありがとう、ファンがいるって実感がわかなかったけど、本当にいるんだね〜」
「いますよ!CDだって初回限定盤が手に入らなくて困った人が沢山いるんですよ。
特にサポーター版なんてレアすぎて、見たことないですから。」
「あれは浦和サポーター専用に作ったからね、一般に売ってないんだよ。
サポーターのみんなも映っている映像もあるしね。」
「羨ましいです。京都にいたら東京のイベントに中々行く機会も無くて。」
「少し遠いからね、そうだ、ライブする時はチケット送るようにするよ。」
「いいんですか!」
「行ったらだけどね、ミユキさんの言葉で思いついたところもあるから、送り先はハジメ経由で送ったのでいいかな?」
「あの、連絡先教えます。」
「いいの?初対面の人に連絡先送っても?」
「リョウさんならいいんです。」
ミユキは慌てるようにメモを書こうとする。
「それなら、携帯でいいでしょ。はい。」
俺は連絡先を交換する。
「本当に、リョウさんの連絡先が・・・」
「他にはあまり教えないでね、あまり電話が多いと代えなきゃいけなくなるから。」
「もちろんです、教えたりしません。」
ミユキは両手を握り、教えないと気合を入れている。
話していると控室の前まで来ていた。
「案内ありがと、開始までノンビリさせてもらうよ。」
「はい、ゆっくりなさってください。
そういえば開始までだいぶありますけど、なんでこんなに早く来ているのですか?」
「遅いと落ち着かないし、沢山人がいたらバレた時に混乱になりそうだからね、人が少なそうな時間に来たんだよ。」
「そうなんですね、じゃあ受付してなかったらこんなに話せなかったのか・・・」
「うん、そうかも、これからは静かに隅っこでコーヒーでも飲んでいるよ。」
俺は開始までノンビリ過ごすつもりだった。
「・・・あ、あの、受付終わったら来てもいいですか?」
「いいけど、受付って終わるものなの?」
「途中で別の友達と代わる予定なんです。久しぶりにみんなが集まるので交代制にしようって話してあるんです。」
「それならいいけど、他の友達と話さなくていいの?」
「大丈夫です!!」
「そう?それならいいよ、俺もたぶん暇だろうからね。」
「はい!絶対来ます!」
ミユキは気合を入れて言い切ったあと、受付に帰っていった。
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