第393話 服を選ぶ?

屋敷にデザイナーが来て、アズサとミズホが楽しそうにはしゃいでいる。

その隣でシモも飛び跳ねているがたぶんよくわかっていないと思う・・・


「あ、あの・・・そろそろいいんじゃないかな?もう決まったよね?」

「リョウくん!何を言っているの、まだまだこれからじゃない。形が大まかに決まっただけよ、生地にボタンに決めなくてはいけないことは沢山あるわ!」

アズサが元気よく答えてくれるが、俺は脱兎の如く逃走を開始する。


「シモちゃん、取り押さえて。」

「うにゅ、リョウ兄観念するのよ。大人しく縛につくのよ!」

シモは荒縄を持ち、俺を取り押さえた後、楽しそうに俺を縛る。


「シモちゃん何処でこんなの覚えたのかな?」

「テレビでやってたのよ、ハセガワさんはかっこいいのよ。」

どうやらシモは昔の時代劇を見たようで捕まえることをしたかったみたいだ。


「逃げないから解いてくれるかな?」

「下手人はみんなそう言うのよ。これからお白洲で石畳が待ってるのよ。」

シモはワクワクしているようだが、お白洲も石畳も無い。


「シモちゃん、お白洲は無いけど、リョウくんを捕まえてくれてありがと。

プリンを用意しているからお手々を洗ってから食べようね。」

「にゅ、わかったのよ、リョウ兄バイバイなのよ、プリンがシモを待っているのよ。」

シモはプリンを食べにウキウキで手を洗いに行った。


「さて、リョウくん、お着替えしましょうね?」

「い、いや、自分で着替えれるから・・・」

「大丈夫、痛くしないから。」

「へるぷー、誰かアズちゃんを止めて!!」

動けない俺をアズサが一枚ずつ服を剥いでいく。


「リョウくん、何を騒いでいるの・・・ってアズサさん何をしているんですか!!」

俺が服を脱がされているところにミウが来て何とかパンツの死守には成功したのだった・・・


「うう・・・オムコにいけない。」

「大丈夫だから、アズサさんも反省してください。」

ミウがアズサを叱り、アズサも少し行き過ぎたと反省しているようだった。


「うにゅ?リョウ兄、下手人ゴッコはやめたのよ?」

シモはプリンを食べていたのか口の横にカラメルソースをつけたままやってくる。


「あら、シモちゃん、おくちが汚れているわ。」

アズサが口をハンカチで拭く。

「うにゅ、くすぐったいのよ。」

シモも大人しく拭かれており、その姿は姉妹のようにも見える。


「シモちゃんよくも捕まえてくれたな。」

「うにゅ?逃げるリョウ兄が悪いのよ。お嫁さんから逃げる男はやましいことがあるってテレビで言ってたのよ。」

この子は一体何のテレビを見ているのだろう・・・

どうやら日本のテレビは教育に悪いようだった。


「シモちゃんは暫くテレビは禁止です。」

「はう!なんてひどいことをいうのよ、ドラマの続きがあるのよ。

お昼はドロドロでメチャメチャなのよ。」

「ダメです、ワガママ言うならヨシノブに叱ってもらうよ。」

「にゅ!!おとうさんはダメなのよ、シモは反省するからおとうさんには言わないでほしいのよ。」

シモは頭を抑えてゴメンナサイをするのだった・・・

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