第389話 入浴シーン
翌日、温泉撮影に入る。
温泉を貸し切り撮影を始めた。
さすがにハリウッド女優のヒトミは風呂に入らないが俺とムツが代わりに入っていた。
「ヒトミ何で俺の入浴シーンなんだよ!」
「あはは・・・サービス?」
「どの層狙っているんだよ。」
「まあまあ、リョウくん、温泉は気持ちいいからいいじゃないか。」
「まあ、そうなんですが・・・」
「リョウ兄、シモも入るのよ♪」
「待ってシモちゃん、せめて水着着ないと。」
「うにゅ?アズ姉、お風呂は裸で入るのよ?」
「そうなんだけど、そうだ、温泉ならこれを着るのよ。」
湯浴み着をシモに着せる。
「うにゅ、じゃあ入るのよ。リョウ兄来たのよ。」
「シモちゃん、いいの?」
「うにゅ?温泉は好きなのよ。」
お風呂に向かうシモを今度はリナが引き止める。
「待ってシモにお兄ちゃんはそれを聞いてない。
お風呂を入る姿を見せていいのか聞いてる。」
「気にしないのよ。」
「シモがいいならいい。」
リナも湯浴み着を着て温泉に入るようだった。
「リナも入るのか?」
「お兄ちゃんが入るならリナも入る。」
リナが湯に浸かろうとするのを今度はシモが止める。
「待つのよ!リナ、こっちで身体を洗うのよ!」
「いや、これは撮影で・・・」
「温泉のまなーなのよ!」
「たしかにシモの髪を洗ってあげる。」
「待つのよ!リナ、シャンプーハットは何処なのよ!」
「ここに無い。」
「・・・撮影だから洗わなくていいのよ。」
「ダメ。」
リナは情け容赦なく頭から湯をかける。
「ふにゃぁぁぁぁ。リナがかけたのよ。」
「お風呂じゃ静かにしなさい、ほらシャンプーだよ。」
「にゃぁぁぁ、シャンプーハット無いのにシャンプーつけたのよ!これは暴挙なのよ、シモのお目々を破壊するつもりなのよ!」
「おおげさ。」
「駄目なのよ、終わったのよ、シモのお目々はいたいたになるのよ・・・」
シモは目に見えて項垂れている。
だがその間もリナはシモの髪を丁寧に洗っている。
「シモは向こうでどうやって髪を洗ってた?」
「うにゅぅ、おとうさんかおかあさんがシャンプーハットをつけてくれて洗ってくれるのよ。」
「シモはおとうさんとおかあさんが好きなのね。」
「大好きなのよ、一緒にいると幸せなのよ。
うにゅぅ。早く会いたいのよ・・・」
シモが暗くなりそうだったのでリナは迷わずお湯をかけた。
「ふにゃ!いきなりなのよ!目が目が!」
暗くはならなかったが、シモは目に入り苦しそうだった。
しかし、リナは構わずシャンプーをおとし、リンスをつけていくのだった。
「ふにゅぅぅぅ、リナはひどいのよ!」
洗いおえ、お湯に浸かっていてもリナにプンプンしながらクレームを入れている。
「髪を洗えない子供のシモが悪い。」
「子供じゃないのよ!」
「子供はいつもそういう。」
「うにゅ!」
シモとリナは撮影も忘れて二人でじゃれ合っていた。
カメラマンの松木が山本と話し合う。
「ちょっと、山本さん、あの二人、華がありすぎでは?」
「あの無邪気さに透き通るような美少女具合、これは視聴率狙えるな。」
「倫理的にいいんでしょうか?」
「だ、大丈夫だろ、いやらしさはどこにも無い。」
撮影陣は少し恐怖を感じながらも、カメラを回していく。
放送された旅気分は驚異的な視聴率を叩き出す。
大物俳優のムツがゲストな上に、人気を上げている、リョウとリナ、そして新たな美少女が出演している事に注目が集まり、温泉番組ということで入浴シーンもある事前情報だけでも注目されており、
ムツの普段見せない優しい部分、シモとリナの美少女の絡み、など内容も濃かった為に翌週に急遽再放送が組まれる程の人気となっていた。
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