第331話 旅の帰路
「リョウ助かったよ、お陰で楽できた。」
「ダイキ、そんなんでいいのか?」
「おうよ!たまには楽しないとな。」
「それよりなんで此処に?」
「偶然だよ、向こうに指定された場所に来たらリョウがいたからビックリしたよ。」
「巻き込むなよ。特に子供たち連れてるときはな。」
俺が注意すると
「わりぃ、配慮が足りんかった。」
「やけに素直だな。」
「さすがに一般人のミズホさん、マイちゃん、アキラくんに見せるものじゃなかったよ。」
「そうだな、まあ、次は気をつけてくれ。俺達は帰るけどダイキは?」
「親父に報告してくる。」
「そうか、じゃあまたな。」
「おう!」
俺はダイキとわかれた。
戦闘をしたせいか、観光する気分じゃなくなり、帰路につく。
「アキラくん、マイちゃん、巻き込んでごめんね。」
「いえ、そんなことはでも、先生危険な事は止めてください。刀で斬りかかって来るような人と戦われてケガをしたら、どうするんですか?」
「まあ、逃げれない時は仕方ないよ、それに勝てる自信もあったしね。」
「御主人様が強いのは知ってますでも、何があるかわからないのですから、極力避けてもらえませんか?」
「善処するよ。」
年少の2人に言われては退くしかなかった。
「リョウ兄、私も一般人で巻き込まれたのだけど?」
ミズホが少し笑いながら、聞いてくる。
「お前は桐谷だろ?戦闘は日常だ。」
「違うからね、おじいちゃんとリョウ兄だけだから。」
「お兄ちゃん、日本の治安って危ないのだね、剣を持った人が襲いかかって来るなんて。」
「いやいや、世界有数の安全な国のはず!」
「リョウ兄の周りが危険なんだよ。」
「何故に!俺は平和に生きたいのに。」
「リョウ兄、少しは首を突っ込むの止めた方がいいよ、今日だってダイキくんと一緒に煽ってたじゃない。」
「・・・あれはダイキが悪い。」
「リョウ兄、現実見ようか。」
俺が眼をそらすもミズホは追い込みをかけてくる。
「だって、ついダイキにのせられて、くぅ、奴め謀ったな!」
「もう、冗談にしてるけど危険な事だからね。もっと平和に生きようよ。」
「でもさ、家を出たら7人の敵がいるって知らない?」
「何それ?」
「子供の頃からそうやっておそわったんだけどなぁ。」
「リョウ兄、それって活動すると競争相手や邪魔してくる奴が多いって話じゃないかな?物理的な敵とは違うと思うよ。」
「・・・俺はじいちゃんに騙されていたのか!」
「リョウ兄、ちょくちょく騙されているんだから、おじいちゃんの言葉に疑い持とうよ。」
「まあ、実際敵には襲われるし、あながち間違いじゃないか。」
「平和に生きるのは何処に消えたの!」
「うっ!」
俺を言い負かすミズホを見て、マイが。
「ミズホさん凄いです。御主人様に強く言うなんて。」
「あっ、マイちゃん、リョウ兄とは昔からの付き合いだから。」
「私じゃ其処まで強く言えないです。」
「マイちゃんは歳の差もあるから仕方ないよ。こういうのは従姉妹で歳の近い私の役目だよ。」
「うらやましいです。」
ミズホはマイの純粋な瞳に見つめられて照れていた。
それを見て、
「アキラくん、口ずさむから音程を書き留めてくれる?」
「えっ?」
「あの2人を見てたら、なんかいい感じの曲が出来そう、だいたいでいいから。」
「はい!」
アキラくんは俺が口ずさむ曲を必死に書き留めていた。
宿に帰る頃には曲は完成したが、車酔いになったアキラも完成した。
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