第319話 兄貴と昔話
「久し振りに来たね。」
「ふふ、懐かしいですか?」
「あの時は重傷で追われる身だったからね。ここの人達にはお世話になったよ。」
「さあ、入口にいるのもなんですから中に入りましょう。」
俺達が中でのんびりしてると兄貴がやってくる。
「リョウ、ここはなんなんだ?」
「兄貴。お疲れ~、ここは今日泊まるところだよ。」
「えっ?いやウソだろ?こんな高そうな所に泊まれないだろ?」
「高くないよ、アズサの別邸だもんね。」
「そうですよ、お義兄さまも気になさらず、ユックリなさってください。」
「いやいや、リョウ。なにセレブの暮らしに入っているんだよ。」
「えっ?そういえば、自然とこんな暮らしになれてしまっているような・・・」
「リョウ、気にしなくていいのよ、リョウはこれからずっとこういう暮らしになるのだから。」
「あっ、ジュン来たの?」
「リナ、俺の事もお兄ちゃんって言ってくれないのか?」
「お兄ちゃんはお兄ちゃんだけ。」
「お義兄さまはリナさんになつかれてないんですか?」
「それがまったく、リョウと何が違うんだか?」
「あれ、ジュン兄も来たの?」
「ミズホか?お前も大きくなったな。叔父さんは元気か?」
「元気だよ、でも、久し振りだね。」
「ああ、しかし、なんでミズホがここに?」
「リョウ兄の傍で面倒見てるの。リョウ兄すぐケガしたり、女の子増やしたりするから。」
「あーリョウは昔からモテるからな。」
「兄貴もなに言ってるんだよ。」
「高校の時、あのヒトミが彼女だったんだろ?」
「彼女だったけどさぁ。」
「他にもお前宛にラブレターもよく来てたじゃないか。」
「いやいや、大概はお礼の手紙だったよ。兄貴の勘違いだって。」
「何を言ってるんだ?どれも『助けてくれてありがと、今度お礼がしたい』とか書いてたじゃないか。会いにいってお礼してもらったんだろ?」
「してないよ、お礼をもらうような事じゃないから丁重に断ったよ。」
「もったいないなぁ、そういえばミウの同級生のチエちゃんからリョウ宛に手紙が来てたから持ってきたぞ。」
「チエちゃん?懐かしいね、随分会ってないけど元気なのかな?」
「俺も会ってはないけど、元気じゃないかな?」
「なんでわかるの?」
「たまにCMに出てるの、みかけるからな。」
「えっ?芸能人なの?」
「なんで知らないんだ?」
「テレビあまり見ないから。」
「少しは見ろよ。」
「まあ、元気そうならいいんだけど・・・」
俺は兄貴から手紙を受け取り読む。
手紙にはお願いしたいことがあると書かれていた。
そして、最後に携帯番号とメールアドレスをのせていた。
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