第305話 ジロウの元へ

「なんで、日本にいるんだろう・・・」

「リョウ、お目覚めか?」

「・・・ダイキ!なんで連行したんだ!」

「親父が呼んでるんだよ。」

「・・・なに?ねえヤバイ事かな?」

「・・・わからん、ただあきらめろ。」

「お腹が痛いからお家帰っていい?」

「ダメだな、供に死のう。」

「やだよ!お前だけ死ねよ!」

「1人だけ助かる気か!桃園の誓いを忘れたのか!」

「やってねぇ!」

「お前ら元気があっていいな。」

「親父!」

「ジロウさん!なんで俺を呼んだんですか?」

「なに、牛に負けるような情けない奴等には、次世代の育成に付き合ってもらうだけだ。」

「それだけ?」

「ああ、それだけだ。簡単だろ?ただ、最近浮かれて音楽だサッカーだと遊んでる奴にはキツいと思うがな。」

「遊んでないって!」

「まあ、それはいい、この富士の樹海で戦ってこい。」

「相手は?」

「タツマとサトシだ。」

タツマはリョウの従兄弟で現在16歳、

サトシはダイキの従兄弟で現在16歳、

関係としてはリョウとダイキと似ていた、ただ違いは・・・

二人とも純粋に戦闘力だけを鍛え続けていた。


ジロウが去ったあと、

「マジか~アイツらの子守りか?」

「めんどくさいなぁ。」

俺とダイキは油断していた。

3年程前にあった時はまだまだ未熟で相手にもならなかった奴らだ。今回も楽勝という気がしていた。


パシュ!

サイレンサーをつけた銃の音が聞こえる。

「よっ。」

俺は難なくかわすがかわした先にもう一発くる。

2発目もかわした所、サトシが襲撃してきた。

「俺狙いかよ!」

丸腰の俺を相手に容赦無く槍を繰り出してくる。

「お~リョウ頑張れよ~」

ダイキは見物していた。

「助けろよ。」

「1人でいいだろ?」

「いや、結構キツい!」

銃弾と槍、2つをかわし続けるのは俺でもキツかった。

「サトシ、ソロソロ止めて事情を聞かせろよ!」

しかし、サトシは槍を繰り出すのを止めない。

「いい加減に無視するなよ!」

俺が攻撃に転じる瞬間に逃げて行かれた。

「くっ!なんだよ、問答無用かよ。」

「リョウおつかれ~」

「ダイキも見てるなら助けろよ。」

「1人で充分だろ?」

「いや、キツいかな。アイツらも腕上げてるな。」

「お前が落ちてるんじゃ?」

「まあ、それもあるな、さっきから膝が痛い。」

「あーまだ治って無かったか。」

「ギリシャで無理したばかりだからね。しばらくは安静が必要なのに・・・」

俺とダイキが話している中でも弾が飛んでくる。


「刀が欲しいな。」

「リョウ、どうするんだ?」

「何でもありならやりようもあるんだけどなぁ。」

「でも、親父はなんでこんなことを?」

「わからん、俺が不甲斐ないからアイツらに戦闘を任せるとか。」

「ありそうだな。」

俺とダイキは相手の攻撃をかわしながらのんびり話てると。

「あれ?アントくんが来た。あっ、ラルフもいる。」

「何処に?」

「ここから五百メートルぐらい離れたところ・・・ありゃ、ミウとリナ、ミズホ、アズサにカエデもいる。ダイキ、どうやって俺を連れてきたんだ?」

「どうって、担いで?」

「お前、それは誘拐じゃないか?」

「気にするな。」

「気になるよ!ってこんな銃弾飛び交う中、こさせる訳には行かないな。」

「そうだな、従兄弟の命を守る為にも止めてやるか。」

「なんで、従兄弟の命を守るためだよ、仲間の命を守る為だろ?」

「お前に撃ち込む姿を見ればリナが暴れる・・・」

バン!バン!バン!

「暴れだした・・・急げ、サトシとタツマの命が危ない!」

「いや、俺走れないから!歩いて行くよ。」

「急げよ!」

「無理だ、ホントに痛いんだよ。」

「俺は先に行くからな!」

ダイキは俺を置いて先に向かった。


そして、歩いていった結果。

「言い残す事は?」

タツマとサトシ、ついでにダイキの三人は地面にひれ伏し、リナの審判を受けていた。

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