第237話 金策

警察署から帰ってきたゼン

「フミエ、警察は動いてくれないそうだ・・・」

「仕方ないですよ、それよりどうしますか?会社は閉めるとして、私達の生活費をどう工面するか・・・」

「閉めなきゃダメかな?」

「経営できませんから、売れる先があればいいですが、買い取り先も見つからないでしょう。」

「長年続いた我が社をこんなことで潰すのか・・・」

「しっかりしてください!私達はまだ生きているんです!源家は不幸になってほしいみたいですが、そんな事に従う気はありません。幸い、当面の資金はありますのでこれで生活しながら資金を増やしていきましょう!」

フミエはその日から、投資の勉強を始める、今までは人に任せていたが、経費削減、何より源家に敵対した影響で誰が裏切るかわかったものじゃないからだ。

そして、株投資を開始した、運もあったんだろう、最初に買った株が数日で値上がり、投資資金が1.5倍になった。

「フミエ、凄いじゃないか!君に投資家の才能があるなんて。」

「偶然ですよ、運がよかっただけです。それよりも次から気をつけないと・・・」

「ふはは、心配性だな、しかし、フミエなら大丈夫だよ。」

浮かれるゼンに不安を感じながら、フミエはこの日より株投資に集中するようになる。

源家が手を打ってくる前に少しでも稼いで、後は引きこもれるように・・・


そして、投資資金が三千万を越えた時、ゼンがフミエに伝えてくる。

「フミエ!私も仕事が見つかったぞ!」

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