第219話 ダイキのウワキ

「ダイキか、なんの用事だよ!」

「いや~リョウご機嫌斜めだね。」

「誰のせいだよ!ほら、用事があんだろ!さっさと言えよ。」

ダイキは真面目な顔に切り替え、頭を下げる

「ヘマをした。力を借りたい。」

ダイキの態度に俺は姿勢を正す。

「おいおい、長い付き合いだろ?俺に頭を下げる必要はない、それで何をすればいい?」

「人を探して欲しい。」

ダイキは一枚の写真を出してきた。

写真には和服の十五歳ぐらいの女の子が写っていた。

「この子は?」

「この子は米沢の名家長尾カゲタメさんの娘でタマちゃん十三歳だ、東京に行くと行って行方がわからなくなった。」

「お前との繋がりは?」

「・・・ナンパして、近付いてきた護衛を倒した。その後行方がわからないらしい。」

「・・・お前なにやってんの?」

「面目無い。」

「てめぇーもっと深刻な理由かと思えばナンパだと!」

「深刻なんだよ!女の子が東京で行方不明なんだぞ!」

「ナンパしたのはいつだ?」

「今日の昼過ぎ、東京駅だ。」

「まだ行方不明と言うには早くないか?」

「それが、拐われたと目撃情報があるとか。」

「裏も取れてないか?」

「情報網がなくてな。」

「まあ、何かあっても目覚めが悪いし、探してみるか。」

「お前ならすぐだよな。」

「自信はないぞ?」

「またまた。」

俺は身支度を整え、ダイキと一緒に東京駅を目指すが・・・

「なんで、アズちゃんとリナが来てるの?二人が来てミウが来てないのは不思議だけど。」

「うちの車を使うのですから、私が来るのは普通ですよ。ミウさんはじゃんけんに負けて車に乗れなかったんです。」

「お兄ちゃんを守るのは妹の役目だよ」

「はぁ、まあいいか。危ない事は・・・ないかな?」

「リョウ、もう見つけたのか?」

「あい、ダイキそこのビルの三階に急ぐぞ、おいお前達二人を守れよ。二人は車の中でカギかけて待っててね。」

気がつくと大量のカラスが周りを囲んでいた。

「リョウなんで2人を置いていくんだ?」

「ここAV撮影所みたいなんだ、タマちゃんのビデオが出来る前に助けよう。」

「マジヤバイじゃん!」

ダイキは階段を速度を上げて登る、

「はや!さすがだね。俺も急ぐか!」

俺がたどり着いた時は既に終わっていた。

スタッフの小悪党は全員叩きのめされ、

ダイキと半脱ぎのタマちゃんが抱き合っていた。

カシャッ!

取りあえず写真におさめる。


「なっ!」

「えータマさん、大丈夫ですか?俺はダイキの友人でリョウと言います。」

「御丁寧に、私は長尾タマと言います。この度は、わたしの危機を助けて頂き感謝いたします。」

タマはチラリとフトンを見てさっきまでの行為に恐怖を感じていた。

「あー東京はいろんな人がいて危ないから今度からは知らない誰かについて行ったらダメだよ。」

「はい、よくわかりました。」

「さて、ダイキ。長尾さんの家に連絡!」

「それはしたよ!それよりなんでさっき写真をとった!」

「浮気現場の写真?」

「ど、どうするつもりだ・・・」

「もちろん、ミキさんに連絡しなきゃ♪」

「そんな必要はないとおもうなぁ~」

「俺が集中してるのをくだらん事で邪魔しやがって!」

「待てって、誘拐は下らなくないぞ!お陰で助かった子もいるんだし。」

「そもそもナンパしたお前がわるい!」

「うるせぇー可愛い子がいたら声をかけるのが礼儀だろ!」

「お前だけだよ!」

「違うね、リョウも声をかけるね、間違いない。」

「お前に俺の何がわかるんだよ。」

「残念ながら幼馴染みだからな、お前がどれだけ女を捕まえてきたか見てきているんだよ!」

「あ、あの~」

「誰も捕まえてないだろ!人聞き悪いじゃないか!」

「あの~」

「へん、どうだか、アズサさんにでも聞いてみるか?」

「なんでアズちゃんが関係あるんだよ!」

「聞いてください!」

「「あっ!」」

「ゴメンゴメンすっかり忘れてたよ。」

「ヒドイです。」

「ダイキはひどいなぁ~ナンパして忘れるなんて。」

「ダイキさんは酷くないです!道に迷っていた私に声をかけてくれて、でも、うちの人達が勘違いして・・・それなのに助けに来てくれたんですよ!どこにいるかもわからない私を探して!それなのに貴方はなんですか!ダイキさんを責めるような事ばかり!」

「あ~タマさん。」

「はい、ダイキさん何でしょう♡」

「リョウは俺の親友だから、今の会話も半分じゃれあいだよ。それに君の事はリョウが見つけだしてくれたんだよ。」

「私の顔も知らない人がどうやって探すのですか?ダイキさんはお優しいのですね。」

「・・・ダイキ、俺は帰る、頑張って生き延びろよ。」

「待てリョウ、一人にしないで!」

「気持ち悪い!一人じゃないだろ?ここは若い二人に任せて年寄りは帰るとするわい。」

「だから、マテマテ!なんかヤバイ二人きりは不味いよ!」

「いいじゃん、ナンパするぐらい気に入ったんだろ?」

「十三歳と聞いていたら、しなかったよ!」

「またまた、ダイキがロリ入ってるのは知ってるから、お幸せに~♪・・・肩から手を離してくれるかな?」

「離したら逃げるだろ?せめて迎えが来るまでは、いてもらおうか?」

「まだ、時間があるんだから楽しんでいけよ!ほらベッドもそこにあるんだし!」

「てめぇ、友のピンチを助けようと言う気はないのか!」

「友の幸せを願ってやるよ!」

「ふふ、お二人はホントに仲がよろしいのですね。リョウさん先程は失礼いたしました。」

「い、いや気にしてないよ。でも、ここじゃなんだから場所かえるか?下に待たしている人もいるし。」

「そうだな、どこか喫茶店でも入るか。」

俺達は場所を移動することにした。

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