第192話 リナ

「あれ?アズちゃんなんで部屋にいるの?」

「主人の友人をお出迎えしようと思いまして。」

「主人って、リョウ!高校生に手を出したの!」

「出してないって!」

「その内に行いますわ。」

「アズちゃんも黙って!」

「お兄ちゃんは渡さない。」

「リナちゃんはお兄ちゃんは幸せな家庭を築くのを邪魔するの?妹のあなたが邪魔したらお兄ちゃん悲しむよ。」

「お兄ちゃんが悲しむの?」

「うん、それでね、私の事はお姉ちゃんと呼んでくれないかな?」

「お姉ちゃん?」

「お兄ちゃんのお嫁さんだから、リナちゃんのお姉ちゃんになるのよ。」

「お姉ちゃん・・・お兄ちゃんを大事にしてくれるの?」

「もちろん。」

「お兄ちゃんすぐケガするから、面倒みてくれる?」

「ケガはしてほしくはないんだけど、その時はもちろん面倒みるよ。」

「リナの中の俺のイメージなに?」

「諦めろ、お前がケガばかりするから心配しているんだよ。」

「ダイキ、俺はそんなにケガしてる?」

「してるな、すぐ油断して大怪我するんだからな、ちょっとは警戒しろ。」

「リナ、ダイキがいじめる。」

「ダイキ、あとでしぬ?」

「ちょいまち!リナ、俺の命軽くない?」

「お兄ちゃんをいじめる奴はしぬしか無いと思うの。」

「リナ、死ぬなんて危ない言葉をつかっちゃいけません。ダイキもなに慌ててるんだよ。子供の冗談じゃないか。」

「・・・はぁ、お前は幸せな奴だな。」

「なんで!」

「リナが普通な・・・普通の女の子だよね~」

リョウの後ろで音も殺気もなく、銃をダイキに向けるリナがいた。

「どうしたダイキ?何かあったのか?冷や汗出てるぞ?」

「俺に聞くな!お前ホントはわかってるんだろ!」

「なにが???」

リョウのうしろで口パクでリナが、

『いらないこと、言ったら、こ・ろ・す』

「なっ!うん、リョウが気にするような事は何もないよ~」

「俺のうしろに何かあるのか?」

リョウが振り替えるとそこには涙目のリナがいた。

「リナどうした?」

「ダイキが睨むのがこわくて・・・」

「おーかわいそうに、ダイキ子供を睨むなよ、リナは繊細なんだからな。」

俺は涙目のリナを抱き締める、するとリナは俺の胸に顔を埋め、頬擦りしてくる。

「・・・繊細ねぇ、い、いや、うんすまん、充分、甘やかしてあげて。」

「変なダイキだな?まあ、甘やかすけど。」

ダイキはリョウと距離をとる


リョウから離れたダイキにアズサは聞きにくる。

「ダイキくん、あのリナちゃん、どういう娘なの?」

「アズサさん、リナはね、白銀の弾丸って呼ばれてて、遠距離、近距離共に銃の達人で、あの歳だけど世界のトップ10に入る化物だよ。」

「えっ!」

「一部の傭兵の中ではリナが使った薬莢が御守りになってるらしい。」

「でも、そんな風に見えない。」

「リョウの前では猫をかぶるから、まあ強くなったのもリョウを守るためとか言うからねぇ~」

「・・・ねぇ、リナちゃんはリョウに恋愛感情はあるの?」

「今はなさそう、妹であることにこだわりがあるみたいだから。」

「よ、よかった。」

「まあ、リョウの味方を消すような子じゃないのはたしかだから、安心して。」

アズサは一安心しつつ、リョウに甘えてるリナを見て不安をかかえるのだった。

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