第186話 総理、事態を知る

「宮木総理!一大事でございます。」

「なんだね、西口くん。騒々しい。」

「源グループが政府に宣戦布告をしてまいりました・・・」

「・・・はい?」

「ですから、源グループが政府に宣戦布告をしてきて、既に物流は停止しております。」

「なんだね、それは!警察の事は終わったはずでは!」

「そ、それが・・・」

「そうだ、西口くん、君は今日桐谷さんに会いに行っていたんだろ?どうしてそうなったんだ!」

総理はリョウとの友好を模索していた。

出来るなら自分が行きたかったが西口に止められ取りあえず挨拶ということで西口に任せ、謝罪をするとの事で公安委員長の同席を許していた。

「彼は増長しており、我等の訴えを聞く気はないようでした。」

「訴え?何を言ってる、猿渡が謝罪して、西口が友好を結ぶだけなのに何を頼むと言うんだね?」

「実は・・・」

西口はあったことを説明する。

「西口!!!お前はバカか!なんで友好を結びに行って逮捕されろと言うことになるんだ!」

「総理、奴は犯罪者ですよ!」

「なら、警察全てが犯罪者か!否は警察にあるじゃないか!それに私と政府の約定を破る権限をいつ君に与えたんだね?」

「そ、それは・・・ここで強気にでて、強い政府を民衆にみせないと支持率が・・・」

「それがこの結果か!源グループは異常な組織なんだ、いい関係を築かないといけないのになんでその婿を怒らせて来るんだ!」

「しかし、ですね、奴は年長者を敬うという態度もなく、話すら応じず、交渉すらしない傲慢な男です、排除しなければ・・・」

「出来もしないことは言うな!そもそも、対処出来なかったから、約定を発行せざるおえなかったのに何で今さら何とか出来ると思っているんだ!」

「源、西園寺も厳戒態勢解きましたし、西園寺の社長経由なら受け入れると思いまして。」

「それで警察に捕まれか?バカな話だな、俺でも受け入れないな、最初に捕まえた時の事を考えろ、警察が冤罪をわかって拷問したんだぞ。不信感しかないのになんで捕まると思えるんだ。西園寺の社長の顔も潰してどうする気だ。」

「・・・これを気に源を潰してしまいましょう。一企業が政府を無視するなんて事はあってはいけない事なのです。」

「それが出来ないのだろ?出来るなら前回やっただろう。」

「いえ、今回は西園寺の動きが悪いのです。前回は源、西園寺の両グループの連携のせいで日本中の物流が止められましたが今なら西園寺を取り込めるかと。」

「西園寺も桐谷さんを婿とするとして全面協力だったのでは?」

「それが一企業の限界なんでしょう、この短い間隔で社長権限で物流を止めるなんて、いかにカリスマがあっても出来なかったようです。」

「そうなのか!」

「ですので前回のように完全に物資が止まることはありません。」

「それなら・・・」


「総理!一大事です!」

「今度はなんだ?」

総理の元に一人の秘書官が走りこんできた。

「開発に成功していた、疫病用新薬なのですが配布の際に政府関係者、及び協力者は除外、政府に協力する国にも輸出しないことを決めたようです。」

「なに!」

現在政府は新薬を盾に他国と交渉している最中だった。

「そんな事が許されるわけがないだろ、いくら援助金を渡していると思っているんだ!」

「い、いえ、ゼロです。」

「なに?」

「新薬を開発した、望月研究所は政府から支援をまったく受けておりません。」

「何故だ!有力な研究所には大量の援助をしたはずでは!」

「元々、小さな研究所が源の全面的支援で急成長した所ですので・・・」

「ま、まずい・・・急ぎ所長と会談準備を!源を離れても政府が支援する事を伝えろ。」

「む、無理です、既に望月研究所は源グループ以外の連絡をたったようです。あと所長が最後に『若の命を狙う輩と話す事はない』とのことでした。」

「そんな・・・」

「総理、ここは強制執行を行い、資料や工場を奪ってしまいましょう。こちらで作ってしまえばいいのです。」

「そんなこと出来るわけないだろ!」

「非常事態です!疫病対策としては必要な事です。」

「・・・それでも、ダメだ、交渉の準備をするんだ。」

「何を気弱な!」

「いいな!話し合いで解決するんだ!」

総理の決断で交渉の道を探す。

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