第162話 ミズホをからかう
風呂から出た俺はミズホをからかうことにした。
「ミズホのえっち~」
「ちがうの、あれは事故なの!」
顔を真っ赤にしている。
「あージックリ見られて恥ずかしかったなぁ~」
「あ、あのそれは・・・ごめんなさい。」
顔を真っ赤にしたままうつむいた。
俺がからかってるのをアキヒロさん、タエさんは楽しそうに眺めていた。
「あーボクの純情がキズついちゃったな~」
「あ、あの、その、リョウ兄、ごめんなさい!代わりに私の裸も見ていいから!」
「へっ?」
「見ちゃったものは仕方ないし、私も見せるからオアイコにしよ?」
ミズホは服を脱ごうとする。
「いやいや、待って!」
「ミズホ、何してるの!」
タエさんがミズホを叱ってくれ・・・
「そういう事は部屋でしなさい!」
なかった。
「リョウ兄、部屋にいこ?」
ミズホは俺の手を引き部屋に行こうとする。
「タエさん!なんで止めないの!」
「リョウくん、わたしね息子も欲しいけど孫も早くほしいの♪頑張ってね。」
「とめてー!!」
「ミズホさん、リョウさまはからかってるだけです。服を脱ぐ必要はありませんよ。」
「カエデ!」
「カエデさん?ホントに?」
「ええ、リョウさまはその程度の事で怒ったりはしませんよ。」
「リョウ兄?」
「怒ってないよ、ただからかってただけだから。」
「よかった~」
ミズホは安堵して座り込む。
「それより叔父さんとタエさんはミズホを止めてくださいよ!大事な娘がキズモノになるかも知れないところでしたよ!」
「リョウ、キズモノにしたら責任をとってもらうだけだぞ。」
「そうね、今からでもしてきたら?」
「・・・カエデ、俺の常識が間違ってるのかな?」
「いえ、あってると思いますが、リョウさまの場合、日頃の行いが良すぎるのが悪いのかと。」
「はぁ、叔父さんこういったのは両者の同意が大事ですよね。」
「そうだな。」
「だったら止めてくださいよ。」
「リョウがその気になったら同意になるのだからいいだろ?うちの娘は誰にでも裸を見せるようなハレンチな子には育ててないつもりだ。」
「俺はたぶん家族枠じゃないですかね?昔は一緒に風呂も入ってましたし。」
「そ、そうだよね、リョウ兄と昔は一緒にお風呂に入ったもんね、気にしなくてもよかったんだよね。」
「ミズホ落ち着けって、」
「そうだよな、小学校卒業までだったから六年ぐらい前か?普通はもう少し早く入らなくなるもんだがな。」
「叔父さん!からかわない。」
「だ、だってあんまり会えなかったから、会った時はずっと一緒にいたかったんだもん。」
「お父さんとは小学校入ったら一緒に入ってくれなかったのになぁ~」
「なんで、お父さんと一緒に入らないといけないの?」
「ぐっ!聞いたかいリョウ。お父さんと入らないのにリョウとは入ってたんだよ。」
「しかたないじゃない、リョウ兄とお父さんは違うのよ。」
「いやいや、親子じゃないか一緒に入ってもいいと思うぞ」
「そうだ、リョウもっと言ってやれ!」
「リョウ兄、裸を見せてもいい相手は私が選ぶよ。」
「俺にも見せなくていいと思います。」
「リョウ兄は特別だよ、さすがに大きくなったらちょっと覚悟はいるけどね。見たい?」
「・・・叔父さん、ハレンチな娘がいますよ。」
「言うな、育て方間違えたかなぁ~?」
「あーヒドイ!自分で言うのもなんだけど魅力的なバディだと思うんだけどなぁ~」
「ミズホさん、リョウさまを誘惑するのは無駄ですよ、彼は育ってないカラダが好みですので。」
「カエデ!人聞きの悪いこと言うなよ。そんな好みは無いから!」
「リョウ兄・・・そんな、リョウ兄がロリだなんて・・・」
「ミズホも信じるなよ!」
「だって、ミウさんの事、昔から可愛がってたじゃない!」
「いや、あれだけ懐かれてたら可愛がるだろ?」
「でも、おままごとで結婚式なんて普通する?しかも、奥さん役なんで私を選んでくれないの?」
「おいおい、昔の話だし、それに子供から役を取ろうとするなよ~」
「だって、私もお嫁さんやりたかったもん。」
「そんなにお嫁さん役したかったの?女の子は好きだよねぇ~結婚に憧れるのはいいけどおままごとまでもめるなよ。」
「だって、だって、リョウ兄とだよ。譲れないものもあるんだよ。」
「そんなものかね?」
「ミズホ、それならおままごとじゃなくて現実に目指したらどうだい?その年まで彼氏の一人も作らずにきてるのだから、まずは彼氏から・・・」
叔父さんがこっちを見てくる。
「えっ、そんな、えっ、でも、」
チラチラとミズホも俺を見てくる。
「リョウさま、お下がりを此処は危険です。」
「カエデ危なくないから、クナイをしまえ!」
「しかし!」
「ラルフ!カエデのクナイを奪え!」
俺の命令で寝ていたラルフが起き上がり、すぐさまカエデのクナイを奪った。
「あっ!」
抵抗しなかったとはいえ、クナイを奪われた、カエデはちょっと悔しそうな顔をしていた。
「ラルフくん、動きがいいですね。見違えましたよ。」
「朝仕込んだからね、滞在中にポチに負けないような子に育てて見せる。」
「ポチさんはわかりませんが非常識なワンちゃんだった事はわかりました。」
「ポチはいい子だったんだよ、俺が小学生の頃に死んじゃったんだけどね。」
しみじみ言う、
言葉にした為か、ポチを思い出すと涙が出てきた。
「リョウさま?どうなされました!」
カエデはハンカチで涙をふいてくれる。
「ゴメン、ゴメン、ふと思い出したら涙が出てきて。」
「すいません、まさかポチさんを思い出し、涙を流されるとは思いませんでした。」
「いや、つい涙が出て。あれ、まだ止まんない。」
「リョウ兄」
ミズホは俺をギュと抱き締める。
「リョウ兄、大丈夫だからね。私は傍にいるから。」
俺はそのままミズホの胸で泣いていた。
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