第148話 襲撃

「エテくんどこだい?」

俺は屋敷を歩きエテくんを探す。

すると、鎧を着たサルが出てきた。

「エテくんかい?」

「キー!」

エテくんは俺に抱きついてきた。

「エテくん、長年サエちゃんを守ってくれてありがとう。今後もよろしく頼むよ。」

俺はエテくんの頭を撫でる

「キー♪」

エテくんは嬉しそうなしてる。


そこに一人の女の子がきた。

「エテ?なんで人に触らしてるの?私もまだ触らしてもらえないのに・・・」

「君は?」

「第一警備隊隊長、沖田ソウと申します。あなたは?」

「桐谷リョウと言います。しばらくお世話になります。」

「これはリョウさまでしたか、失礼しました。」

「いえ、気にしないでください。それより、エテくんに触りますか?」

「えっ?触れるのですか?」

「いいよな、エテくん?」

「キー♪」

エテくんは沖田さんに近づく、

沖田さんは恐る恐る手を差し出し頭を撫でる。

エテくんはされるがまま頭を撫でられていた。

「さわれた、さわれましたよ。ここに来てから三年、一度も触らしてくれなかったのに。」

「そうなの?エテくん人懐っこい感じなんだけどなぁ~」

「さすが、お嬢様が選ばれた御方です。エテくんはお嬢様以外に人懐っこい所なんて見せなかったんですが・・・」

「まあ、そんな事よりお客さんが来たよ。」

「キー?キッ!」

「ハッ!」

沖田とエテくんは反応する。

「ほぅ、気付くのが早いな、日本人も馬鹿に出来ないか?」

金髪の男がいた。

「観光客の方はお引き取りを、ここは私邸ですよ。それ以上近付くなら容赦しませんよ。」

「くくく、ここまで入られてそのセリフは笑えるな、俺は敵だよ、サムライよ俺を楽しませてくれ!」

「ならば!」

沖田は剣を構え突っ込んでいく!

「沖田さん、だめだ!」

俺は手元にあった携帯を投げる。

パン!

携帯に銃弾が当たり破裂した。

「あーーー!俺の携帯が!」

「あっ!」

沖田は距離をとる。

「そこのお前よく気付いたな、すでに庭は俺のチームの射程圏だ!」

「そんな、警戒網をしいていたのに!」

「甘いな、平和な日本人がする警戒なんぞ何の支障もないわ!」

「でも、庭までだろ?俺の座る位置は狙えてないよね。」

「ぬっ!よく気付いたな。」

「その程度はね、それより来るのか?なら俺もやらしてもらうが?」

「フッ!知れたこと。」

男はナイフを構えた。

「ここに集まっている要人は皆殺しにするのが今回の仕事でな、悪く思うなよ!」

「出来ると思うか、俺を甘く見るなよ!」

俺はこっそり持ち出していた、脇差を構え、気合いを入れる・・・事はなかった。

「リョウ止めとけ。頭切ってるから動くなよ、それぐらいもわからないぐらいバカなのか?」

「ダイキ?なんでここに?」

「おう、弱い幼馴染みを助けてやろうと思ってな。」

「もしかして、俺の事?」

「おうよ、ケガばかりしてなぁ~少しは減らせよ。」

「うるせぇ、こんな奴やるのにケガなんか関係ない!」

「はいはい、でも、動くなよ。悪化したらいかんからな、大人しく指を咥えて見てろよ。」

「まあ、お前なら大丈夫か。任した、あと庭は射程圏から外れたから大丈夫。」

「・・・お前、何したの?」

「森に潜む奴が悪い、ラットくん達のエサになった。」

「えっ?まさか?」

「こんな体だからね、加減無しだよ。撃った時点で大群のエサになってもらったよ。骨ぐらいはあるかな?」

「お前怖いよ・・・」

「お前達何を話している?」

「あー、金髪さんの仲間はもういないという話。」

「訳のわからない事を!」

「連絡とってみたら?既につくかはわからないけど。」


「何を?マイク、返事をしろ!」

「ト、トム、た、助けてくれネズミが俺を・・・」

「おい、どうした!おい!クソッ!ミック、マイクの救援を!」

「トム・・・そんなことより、おれを、たすけて、もう足がないんだ・・・頼む、こんな所で喰われるなんていやだ・・・」

「おい、ジャック、ジョニー聞こえないのか!ミックとマイクの救援に!誰か返事をしろ!」

誰からも通信が返ってこない。

「貴様!仲間に何をした!」

「俺は何もしてないよ?ここに座っていたのはお前も見ていただろ?」

「はぁ、リョウと自然の中で戦うのはバカだろ。」

「ダイキなんだよそれ?」

「お前はな、何でも有りにしたらヤバすぎるんだよ!特に獣が多い所は俺でもやらないよ。」

「お前は何とかするだろ?」

「やだよ!」

「貴様!話を聞け!」

「あっ、まだいた。」

「それでまだやる?」

「仲間の仇をとらしてもらう!」


「「へぇーその体で?」」

「なに?」

トムの視界が横になった。

「一体何が起きた!」

トムは起き上がろうと手を動かすが動かない、それどころか手足がまったく動かない。

「まだ、気付かない?もう金髪さんの手足は無いよ。」

「なに?」

「お前は誰を殺すと?」

「誰だ!」

「ワシのかみさんを殺そうとはいい度胸だ、そのまま死ね!」

爺ちゃんが金髪さんを有無も言わさず切り刻んだ。あまりの剣閃の速さに金髪さんは斬られた事に気付いていなかった。

「爺ちゃん、俺の時はそんなに怒らなかったよね?」

「お前と婆さんは違うだろ?漢は一人で何とかしろ!」

「はーい。」

「まあ、今回は及第点だな。珍しく甘さがないのがいいな。」

「俺も余裕がないんだよね。動くと頭痛いし、最小限でやらないと。」

「うむ、その心掛けならもう大丈夫だろう、ワシは明日には帰るからな。」

「はーい」

爺ちゃんは部屋に帰って行った。

「すいません、リョウさま、護衛の身でありかながら助けていただき感謝します。」

「沖田さん、気にしないでください。あーみえてさっきの金髪さんは世界クラスの一流ですよ。沖田さんはまだ若いのだから今後の研鑽に期待します。」

「はっ!しかと心結に刻み研鑽を積みたいと思います。」

「じゃあ、俺は部屋に帰るよ。」

俺はみんなのいる部屋に戻って行った。

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