第120話 山中姉妹
リョウが名古屋で戦ってる中、山中家では・・・
「・・・ねえ、ユミちゃん、ニュースでやってた冤罪事件って、ユミちゃんのお母さんだよね?」
「えっ!」
リョウが拷問にあった翌日、アズサが、全力で冤罪を世間に広めていた。その結果、マイの妹ユミの学校でも噂になっていた。
「ユミのお母さん、おかしいよね?前も道路に突き飛ばして捕まらずに、今回もありもしない事件で逮捕させるってなんなの?」
「あー俺も見た、テレビでやってたよね。警察の上層部に親戚がいるんだって?」
「それで捕まらないの?おかしくない?」
それまで、仲良かった友達も、病気を心配してくれていた優しい親友もユミのお母さんを責めるように話されていて、ユミは不機嫌になっていた。
「お母さんはおかしくないよ!だってあの人は私を無理やり倒したんだよ!」
「それって、歩きスマホで前見てなかったお前が悪いよね?」
「そもそも、助けて貰ったのに感謝足りなくね?」
「何で私が悪いの?私は病人だったんだよ、その私がケガしたんだよ。」
「えっ?病気関係ないよね?」
「お前何様なの?相手は骨折だし一歩間違ってたら死んでたのに、擦り傷ぐらいなんでもないだろ?」
「ウソ!ユミってそんな考えなの?」
「さすが捕まらない家の方は俺達と違うっていいたいのか?」
「俺達一般人の骨折とユミちゃんの擦り傷は擦り傷の方が重傷ってか?」
「ひでぇーありえないよな。」
ユミはみんなに責められ、さらに機嫌が悪くなり感情的になる。
「なによ!二股してるような男じゃない!死んでもいいの!そんな事で私やお母さんを責めないでよ!」
「・・・」
「ふん、私は悪くないの!悪いのは全部あいつなの!お姉ちゃんも出ていっちゃうし、お父さんも仕事が上手くいかないってグチってるし、あの桐谷さえいなければ私は幸せだったの!」
「・・・」
「ねえ、みんなもそうおもうでしょ!何とか言ってよ!」
「・・・誰も同意できないよ。」
「・・・ユミ、友達やめていい?」
「・・・ゴメン、無理だわ。話しかけないでもらえるかな?」
みんなユミから距離をとっていた。
その日から、ユミは学校でいないものとされた・・・
同じ時、マイも学校で色々聞かれていた。
「ねえ、マイ。お母さん変じゃない?」
「うん、変だと思う。でも、私が何を言っても聞いてくれないの。私も一緒にいるのが無理だから昨日のうちにお爺ちゃんの家に引っ越したの。」
「えっ、マイ大変だったね。」
「ううん、大変なのはリョウさんだよ。まさか拷問されるなんて・・・私、どうしたらリョウさんに許されるかな?」
「うっ、ちょっと無理そうかな?私なら会いたくないかも・・・」
「そうだよね、でも、私どう謝罪したらいいんだろう?」
「マイちゃんは謝りたいの?」
「もちろんだよ、あんな人でもお母さんだし、今も迷惑かけちゃってるんだよ。何とかしなきゃ・・・」
「マイちゃん・・・」
ユミと違いマイは母親の異常を認め、リョウに謝りたい一心だった。
そのお陰でクラスメイトから同情され、支えてもらう事が出来ていた。
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