第91話 父親二人の夜
リョウが帰ったあと、源家にてレオンとヨシナリは二人で飲んでいた。
「ヨシナリ、リョウを貰ってもいいか?」
「駄目に決まってるだろう。あれはうちと西園寺が取り合ってる男だ。」
「しかしだな、このままだとエミリーが日本に住むとか言い出しかねない。」
「まあ、ありえるな。そうだレオン、いいことを教えてやろう。」
「なんだ?」
「お前が飛び付いた新薬の話だがな、俺と西園寺が支援しなかったのは開発者の家族がリョウを殺しかけたからだ。」
「なに!」
「一応リョウくんが我慢する形で和解は済んだみたいだが、俺達は支援する気になれなかったんだよ。」
「そ、そんな、じゃあその事実をエミリーが知ったら・・・」
「クックッ、嫌われるだろうな。俺も娘が怖いからな。」
「ノウーーー!マズイよ、ヨシナリ契約しちゃったよ。」
「よかったな、会社の株価は上がるんじゃないか?」
「娘の評価は大暴落しちゃうよ。」
「まあ、済んだ話だし、リョウくんも蒸し返したりはしないだろう。」
「それにしてもだよ。しかし、殺しかけるとは物騒な話だね。何があったんだ?」
ヨシナリは経緯をレオンに教える。
「おー!リョウはなんて立派なんだ!」
感動し、涙していた。
「相変わらず感動しやすい奴だな。俺としてはもう少し復讐すべきと思うがね。」
「ヨシナリはリョウの良さが分かってないね。そんな人の家に嫁いだら不幸になるよ。」
「アズサが幸せにするから心配するな。」
「エミリーの可愛さの前ではアズサちゃんでもかなわないさ。」
「なんだと!」
二人はじゃれあいながら、深酒を続けていた。
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