第84話 アズサと入浴

「なんで、アズちゃんが男湯に?」

「ここは混浴にもなるんですよ。」

「いやいや、混浴はまずいよ。」

「なぜです?私は構いませんよ。リョウくんに隠す事なんてありませんし。」

「いやいや、裸は隠そうよ!」

「リョウくん、何を言ってるの?一度全部見たよね?」

「いや、あの時は緊急事態で・・・」

「もちろん責めたりしませんよ、でも、見られた事には変わりないんですよ。」

アズちゃんはジト目で見てくる。

「あう、でも、あの時は子供だったし、今はまずいよね。」

「私からしたら変わりませんよ。それに・・・」

アズサはリョウの背中に抱きついてくる。

「今の私を大人として意識してくれたなら嬉しいな♡」

「す、ストップ!当たってる、あたってるよ!ってタオルは!なんでタオル巻いてないの?」

「ふふ、当ててるんです♡どうですか?大きくなったでしょ♪それにタオルをお湯につけるのはマナー違反ですよ。」

「認めます、もう大人です、だから離れて。」

「もう、恥ずかしがり屋さんですね。」

「アズちゃんはもうちょっと恥じらいを持って。」

「あら、こういうことするのはリョウくんだけにですよ♡」

「俺にもしなくていいから、親御さん泣くよ。」

「うーん、両親ならもっとやれって言うと思いますが、たとえば・・・」

アズちゃんの手が俺の刀の方に・・・

「そ、そっちはホントにヤバイって!」

「ふふ、あわてて可愛いですね、リョウくんの違う一面が見えた気が・・・あら、固いものが・・・」

「うっ!だぁー!ノボセソウダカラー、サキニデルヨー。」

俺は慌てて、アズちゃんと距離をとる。

「あら大変、脱衣所まで案内しますね。」

「やめて!ボクのライフはゼロなの!」

「このまま、何かあっても大丈夫ですよ。」

「だぁー!」

俺は逃走した。

「もう♡でも、ちょっと大胆だったかな?うー恥ずかしいなぁ、でも、あれって、リョウくんのアレだよね、触っちゃった♡でもでも、ちゃんと私に反応してくれてたよね。女として意識してくれたんだ♪」

アズサは最低限の成果に満足しつつ、今さらながら恥ずかしくなっていた。


一方、脱衣所まで逃げた俺は・・・

「や、やばかった・・・まさか、アズちゃんがここまで攻めてくるとは・・・やわらかかったなぁ~・・・イカンイカン!相手は高校生、手出しは厳禁、正気を保てリョウ!チェリーボーイじゃあるまいし、動揺しすぎだ。色即是空、空即是色。」

俺は必死に煩悩を追い出していた。

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