第80話 イサムの末路
イサムは柴田に連れられて、とある会議室に連れて来られていた。
「お、おい、俺をどうする気だ!俺は人気俳優だぞ、変な事したらSNSにのせてやるからな。」
「黙ってろ。すぐに引き取り手が来る。」
「引き取り手?誰が来るんだよ!」
そこにイサムの芸能事務所の田中社長が走り込んできたうえ、土下座をした。
「遅くなって申し訳ありません。柴田様、うちのイサムが失礼をしたようで申し訳ありません。」
「し、しゃちょう?何をしてるんですか?こんな奴訴えてやったらいいんですよ。あー掴まれたクビが痛い、これは傷害事件だな。」
「田中、君の所は教育も出来ないのか?」
「イサム!何してる早く土下座して。」
「なんでこんな奴に土下座なんてしないといけないんですか!」
「イサム、この世界は逆らってはいけない人がいると教えただろ。この方はその人だ、早く謝って、」
「いやだね、誰が謝るか!俺は今人気急上昇の俳優イサムだぞ!」
「なら、明日から仕事は無いと思え。」
「柴田様、それは・・・」
「田中、コイツは姫を辱しめようとしおった、到底許される事ではない。」
「なんでアンタが決めてんだよ!」
「柴田様、それは誠ですか・・・」
「嘘は言わん。田中もさっさと切り捨てろ。」
「だから、なんでアンタが決めてんだよって言ってるんだよ!聞けよ!」
「イサム。」
「社長?」
「お前はもう終わりだよ・・・なんで、姫に手を出したんだ、お陰で俺の未来もなくなったよ」
「社長?何言ってるんだよ!こんな奴の言うことなんか無視したらいいだろ。俺も仕事は増えてるし、源グループなんかどうでもいいじゃないか!」
「何を言ってる、柴田様は源グループの人間だが芸能界のドンともいえる方、その方に逆らっては仕事を回してもらえるはずがない。」
「なんでだよ!なんでこんなやつの言うことを聞かなくちゃいけないんだよ。」
「お前にはもっと教育をしておくべきだったよ・・・」
「今こいつを切り捨てれば田中には釈明の機会を与えてもいいぞ。」
柴田の言葉に田中は反応した。
「イサム、悪いがお前とはここまでだ。今この時点で解雇する。」
「なっ!!社長は俺を捨てるのか!?」
「俺にも守りたい家族があるし、お前の他にも所属タレントを守らなきゃいけないんだ。」
「じゃあ、俺の事も守ってくれよ。事務所の稼ぎ頭だろ。」
「無理だ!さっきから柴田様に謝罪も出来てないお前庇えば俺の事務所は全員干されて廃業だよ。」
「そ、そんな・・・」
「もういいか?俺も忙しいのでな。こんなやつの事はさっさと終わらせたい。」
「お、俺はどうなるのですか?」
「おとなしく芸能界引退して、姫や若に迷惑をかけないのなら命まではとらない。」
「もしやぶれば?」
「当然家族全員消えてもらう。」
「そ、そんなことはできるはずがないだろ!ここは日本だぞ、そんな犯罪行為が許される訳がない!」
「何も俺が手を汚す訳ではない、そういった専門の奴がいるだけだ。」
「このことをSNSにあげてやる!」
「出来ると思うか?今、命を見逃すのは若や姫に対する配慮なだけだ。もし世間に知らせようとしただけでお前は後悔することになるだろう。」
腰を抜かしたのかイサムは床に座り込んで動けなくなっていた。
「話はここまでだ。後はお前の行動次第だな、これからはしっかり考えて行動するべきだな。お前の行動にお前とお前の家族の人生がかかっているのだからな。田中こいつを連れて帰れ。」
「はい、わかりました。」
「お、おれは終わりなのか・・・」
「いいからこい!死にたいのか。」
田中に連れられイサムは自宅に帰って行った。
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