第75話 帰路

争う二人をなだめ、いろいろお土産を買い、俺達は帰路につく。

船にで対岸に渡った後、車で広島駅へ。


「ヒトミはこれから九州だっけ?」

「そう、仕事がなかったらこのままリョウと東京に帰るんだけどなぁ。」

「リョウくんとは私が一緒に帰るから大丈夫ですよ。」

「リョウも気をつけてね。ミウさんにどこに連れ込まれるかわからないよ。」

「連れ込むなんてことはないですよ。あくまで同意の上ですし、そもそも二人のお家に帰るのですから。」

ミウとヒトミはにらみ会う。

「はいはい、そこまで、新幹線来るからね。ヒトミの迎えは?」

「そこに来てるから大丈夫よ。」

「なら、俺達は先に東京に帰ってるよ。仕事がんばれよ。」

「うん、ありがと。頑張ってくるよ。じゃあまたね。」

俺とミウは新幹線に乗った。


「むう、せっかくの旅行が終わっちゃう・・・」

「仕方ないだろ、また来ればいいじゃないか。」

「そうだね。また旅行に二人で行こうね。」

「そうだね。今度はどこに行こうかね?まあ、その前に帰省かなぁ~」

「たまにはおじさん達にも顔を見せておかないとね。」

「うう、爺ちゃんが怖い。絶対修行の成果を見せろって言ってくるよ。」

「ははは、でも強くなったんでしょ?お爺ちゃんにも勝てるんじゃない?」

「甘い!あの爺ちゃんに勝てると思えない。」

「そんなにかな~?」

「ミウにはわからない世界だよ。」

「むう、でもケガはしちゃダメだよ。」

「したくはないんだけどなぁ~」

二人はしばらく話していたが・・・

「リョウくん?」

リョウは疲労からか大阪辺りで寝てしまった。

「リョウくんお疲れ様♪」

ミウはリョウの寝顔を堪能してたが、気が付くとリョウに寄りかかって寝ていた。


「いや~寝過ごすとこだったよ。」

リョウはなんとか横浜辺りで目が覚めた。

「私も寝ちゃったし、危なかったよね。」

「明日の見出しは、歌姫寝坊!ってなるかな?」

「なりません!それにリョウくんと一緒だから熱愛デート!とかじゃない?」

見出しの話をしていたのでなんとなく新聞が目に入ると、

「稀代の女誑し!ヒトミも魔の手に!」

と言う見出しが見えた。

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