第38話 ミウ反撃に出る
夕方、ミウが緊急会見を行った。
「ミウさん、大事な発表があるとお聞きしましたが?」
「はい、私には婚約者がいます。ここに宣言させていただこうかと思います。」
会場がザワツク。
「失礼ですが何故今日緊急に会見を行われたのですか?」
「今、世間はアズサさんの恋人で騒がしくなっておりますが、彼はアズサさんのモノではありません。私の婚約者です。」
更にザワツク
「しかし、源さんのお話だと誰とも付き合ってはおられないとの事でしたが?」
「彼は私が高校生という事で控えているのです。でも、私と彼の関係は両家も認めている正式な婚約です。」
「それは彼が浮気したいから彼女を作らないということですか?」
「違います!彼は誰にも手を出したりしてません。ただアズサさんがいうとおり、人を助けて勘違いされる事が多いだけです。私も悩みどころなのですが、人助けをするなとは言えず。気がつけば彼の周りに女性がいるだけです。」
「では、源さんには渡さないとの宣戦布告ですか。」
「はい、彼は私のモノです。絶対他の人に渡したりしません。」
「ミウさん、あなたは芸能人ですが、貴女を慕うファンへの裏切りではないのですか?」
「ファンってなんでしょう?私は歌手のつもりです。歌の批判なら受け入れますが、好きな人について何か言われるのなら私は芸能人を辞めても構わないと思っております。」
「それは実質引退するとの事ですか?」
「そうとってもらってもかまいませんが、私は私のファンを信じたいと思います。」
「それはどういうことですか?」
「私のファンは私の歌のファンであって、見た目だけのファンじゃないと信じております。私はいい曲を出せるよう努力するだけです。」
「ミウさんは今後彼とどうなさるおつもりですか?」
「えーと、16歳になったら結婚して、幸せな家庭を作りたいと思っております。」
「すると、16歳で引退するとの事ですか?」
「いえ?彼と二人で曲を作り今より素晴らしい歌を出しますから期待してください。」
「彼は音楽家なのですか?」
「今は違いますが近々期待しておいてください。」
「デビューなさるとの事ですか?」
「それはまだ正式な発表はまだですので。」
「それはどのような曲ですか?」
「彼と二人で作った、最高の曲です。一度だけ演奏したのですが、ファンの方なら知ってる人がいるかもしれませんね。」
そこで司会が区切る。
「はい、それでは会見を打ち切らせてもらいます。」
ミウが会場を後にする。
そして、俺はテレビを消した。
・・・なんで、話に嘘はないけど。なんだろう?逃げ道が無くなった?
アレ?発表したらミウのダメージが大きいはずなのに俺の方がダメージ受けてない?どうしようかな?
すると電話が鳴る、
「もーしーもーしー、リョウさんはダメージが大きくて電話に出れませんよー」
「出てるじゃん、それよりはミウ様と婚約ってなに!なんで教えてくれないの!」
電話の相手はアミだった。
「それはね、婚約はボクの知らない所で行われているから~」
「えっ!」
「昔からうちの家とミウの両親が仲良くて、知らない内に俺貰われたらしい。」
「あはは・・・」
「ねえ、どうしよう。俺高校生二人を誑かす悪い人じゃね?」
「落ち着いてロリ谷くん、ここはマイちゃんも出してロリアピールで噂を消しちゃおう!」
「社会的に死ぬわ!」
「あはは、仕方ない、私が恋人役してあげるから。」
「社会的に死ぬわ!!!」
「待って、なんでマイちゃんの時と扱いが同じなの?私は成人してるの!わかる?」
「子供料金で映画見る人に言われたくないです。」
「なんで知ってるの!」
「えっ?マジ?」
「ち、違うの大人料金を受け取って貰えないだけだからね。」
「アミさんすげぇ~尊敬してしまいます。」
「どこに尊敬してるの、お願い秘密にしてください。」
「俺達に出来ないことをやってのける、そこに痺れる、憧れるー」
「もう、しらない!」
アミに電話を切られた。
「ありゃ、切られた。しかし、どうしようかな~」
これから起きるだろうミウとアズサの修羅場を考えて頭を抱えていた。
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