第7話 すべては水の中の泡

目が覚めた。

まただ、夢を見たのに全然覚えてない。

3時……?晩飯食い損ねた。でも眠気が取れない。もうちょい寝よう。

そしてまた、目を閉じた。


ドボン


?、水の中か。いや、これって夢の中か?

あったかくて心地良い。しかもキレイな場所だ。絶対現実じゃお目にかかれないだろうな。

水面が遠くなる。落ちてるのか、水の中に。

なんか息が苦しくなってきた。むしろ今まで水の中にいて苦しくなかったのか?


ガボボ


やべえ、俺死ぬんじゃね!?夢の中で!?ここ、そもそも夢の中なのか……?


突然背中を床に打ちつけた。


「ガハッ」


俺は肺に入った水を全部出そうと背中を丸めた。制服が肌に張り付く。明らかに夏ではない寒さだ。ここは、どこだ。


「ゲホッ、ゲホゲホッゴホッ」


周りを確認しようとしたが、暗すぎて見えない。でも、確かに人の声がする。

聞きたいけど、咳が止まらない。


「マスター……すか」


「失敗で……ね。かみ……ろ……すし」


「いや……たまえ……ろう」


マスター?失敗?何をだ。かんじんな所が聞こえない。


「こ……みれば……と……います」


「しかし少年…すよ?」


咳が落ち着いてきた。会話が聞き取れるようになった。少年って俺のことか。

ろうそくの明かりが見えた。人影が3人分ある。


「……せ」


「マスター、今、何と?」


「その少年を殺してみよ」

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