僕は、ロボット。


僕の脳は機械でできている。

故障することはあっても、人間みたいに病気になったりしない。

泣いたり、怒ったり、誰かを好きになったり、嫌いになったりすることもない。

可哀想だとか思う人間もいるかもしれない。

だけど、僕らにはそんな感情すらないのだ。


僕は機械だから、人間より長生きしてしまう。

だから、沢山の人間たちの死を見てきた。

僕を作ってくれたおじさんやその奥さん、その息子さん。


数えればキリがないくらい。

その度に何も感じない僕は、ただ人間を見守るだけ。


大切にしてくれた人間がいなくなる度に、真っ直ぐに伝えるだけ。

ありがとうと。

人間たちみたいに目から水も出ない。


僕の頭が機械じゃなければ、

人間たちの気持ちに納得がいくのかな。

僕が機械じゃなければ。

僕が機械じゃなければ。

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