色鉛筆のように。


人間は一つの顔だけではない。

いろんな顔がある。

もちろん、君にも僕に見せていない顔がある。それはもちろん僕も。

まるで、色鉛筆のように色んな色の顔を誰でも持っている。


相手によって、その色の顔は違うはずだ。

でも、それを全て含めて

僕は君と一緒にいることを決めた。


「君はどうして私といるの?」と

頬杖をつきながら、いつも君は聞く。

「ただそばにいたいからだよ。

そんなことに理由がいるの?」

と僕は答える。


単純に君が好きだから。

どんな色合いの君も、

僕にとっては大切な君であることに

変わりない。


目の前の君は、

いつも不思議そうな顔で見つめるけれど、

それはいつ、どんなことがあっても、

もし、見たことのない色合いの君が

登場したとしても、

僕は君を愛することに関して、

変わることはないだろう。


そんなことを僕は

コーヒーを啜りながら、思っている。

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