サンタクロースが来る

サンタさんのプレゼント。子供の頃25日の朝になると枕元に置いてあり、すごく嬉しかったのを憶えている。いつ頃まであのプレゼントはあっただろうか。今となってはあまりいつから無くなったかは覚えていないが、自然にサンタさんは親だということを知った。その頃からプレゼントは親から直接貰うようになったと思う。


小学1年の時、私は欲しいものがあった。ネックレスや指輪を入れる洋服タンス型の宝石箱だ。確かオルゴールも付いていて、開けると音が鳴る物だった。別に子供用でもなく、大人のきちんとした宝石箱だ。多分デパートかどこかで見て、これ欲しいと思ったのだと思う。値段も一万円はしたと思う。子供らしくない物だった。私は、心の中でサンタさんに「あのタンスの宝石箱を下さい」と何度もお願いした。しかし、親には言った事がなかったので、25日当日にはお人形があった。次の年も心の中で願った。しかし、違うものだった。その時からサンタさんは欲しいものはくれなくて、あげたいものをくれるのだと思っていた。


自分が親になり、息子にもサンタさんをやった。小さい時からサンタクロースの居場所のサイトとかを見て、絵本も読んであげたりしていたので、すっかり信じていた。小学校高学年になってもまだ信じていたので、中学になる時に「来年からは来ないよ」と言った。「なぜ?」と息子は聞いてきた。信じているのをぶち壊すのも可哀想だったので、「中学生からは大人とみなされて、来なくなるの。世界中で赤ちゃんが毎年たくさん産まれるから、今度はその子たちの所にサンタさんは行くんだよ」と言っておいた。今どきはYahooのサンタクロースの居場所などが見られるものがあるから、信じやすいみたいだ。24日の夜にYahooを覗くと、地図上でサンタクロースが今どこにいて、プレゼントを撒き散らして行っている様子が出ている。1、2分ですごい数のプレゼント数のカウントが小さくなり、あっという間に次の国に行くので、信じやすいようだ。日本の上空は確か16秒くらいだったかな?(笑)アメリカや中国などの国土が広いところは少し時間がかかる。


しかし、今も信じているのだろうか・・・?もし、信じているとしたら、結婚する時に親の務めとしてそのカラクリを教えてあげようと思っている。「あんたも親になったらやるんだよ」と。さすがにもう知っているかな?


去年、クラスで「サンタさん来たー」といって喜んでいる女子がいたそうだ。クラスの子たちは何も言わなかったらしい。息子もその時は何も言わなかったそうだ。でも「あいつはまだサンタから子供扱いされている」と言って笑っていたから、まだいると思っているのだろうか?怖くて聞けない。

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