第四百二十七話 兵器との第二戦を行う時

「ん?どうかしたんですか」


先頭を歩いていたライトがふと後ろを振り返りながら口にする。

すると兵士は


「い、いえ、大丈夫です」


と返答する。

しかしライトは其の返答に対し


「大丈夫って、僕はどうかしたのかどうかを聞いたんだけど?」


と顔を少ししかめる。

其の返答を聞いた兵士は


「いえ、何もありませんよ。

ただ周囲がどうなっているのかを見ていただけです」


と言いながら左右に首を激しく揺らす。


「まあ、確かに敵の施設だから気になる部分はあるね。

だけどさっきの兵器はピープルの所有物という訳ではなさそうだよ」


ここでライトがあどけない笑顔から少し鼻に他の部分を寄せる。


「いや、発掘現場には元から迎撃兵器が……あれ?」


ライトの発言に対し、アップルは不可思議な表情を浮かべる。

しかもその表情は直後に更に深いものになる。


「アップルも気付いた?兵士の皆さんが言っていた通り、

確かにこの施設には発掘現場への侵入を防止する兵器が居た。

だけどそう考えると妙な点があるよ」


アップルの表情を見てライトは話を進めても良いと思ったのか、

そのまま話を進めていく。

他の面々の内ラズベリーは表情が変化しておらず、

兵士達はどこか上の空のような状態だ。


「少し整理して話したいけどあるきながらだとしづらいね。

どこかに大きな広場とかは……」


ライトが辺りを見渡していると進路上に大きな空間が見えてくる。


「ちょうどいいタイミングで広い空間が出てきてくれた……

というわけでは残念ながら無いみたいだね」


進路上に広場を見つけたものの、ライトはすぐにがっかりした

声を出す。


「ん、どうかしたのですか?」


兵士達が何か気になっている声でライトに問いかけてくる。

其の様子を見たラズベリーは


「まずは前方を見て下さい」


と少し呆れていた。

其の言葉に促されるままに兵士達が視線を前にやると、

そこには先程と同様の発掘兵器が確認出来た。

どうやらライトの発言はこの兵器達を見てのもののようだ。


「なるほど、また兵器が確認できたというわけですか」

「なら、私達も見ているわけにはいきませんね。

先程渡していただいたこちら、使わせて頂きます」


兵士達はそう告げると移動車両内でライトが渡した球体を取り出し、

其のスイッチを入れる。

するとその球体は変化し、銃へと変形する。


「これは……銃?」

「先程皆さんが使用していたのはドリルだった気がしますが……」


起動させた兵士は目を見開いていた。

その様子を見たライトは


「その辺りは後で色々話します、今は兵器の迎撃を」


と兵士に発破をかける。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る