第四百二話 九尾と戦う時

「え!?しかしそれでは……」

「貴方達の目的はその子達を保護することなんでしょう?

保護対象が負傷してしまったら任務は失敗よ」

「わ、分かりました……どうかお気をつけて!!」


青がそう叫ぶと兵士達は子供に駆け寄り、

その体を縛っている縄を手元に持った刃物で切断する。

それが出来た事を確認すると兵士は子供達の手を引き、

青を残してその場から走っていく。


「さあ、貴方は一体何物で目的は?」


兵士達がその場から離脱したのを確認した後、

青は集まっていく光に対してそう告げる。

するとその光は少しずつ収束し、徐々に何かを形作っていく。


「やはりこの光、ただの光というわけではないわね……」


青がそう告げるとそれを証明するかの様に光は実態を持ち始める。

その姿は九尾の狐の様な外見であった。


「ピープルの獣人……という訳では無いようだけど、

かと言って有効的って雰囲気でも無いわね」


青はそう告げると同時に光から実体化した狐は前身の毛が白色に染まり、

単なる光から生み出された存在ではないという事を表す。

そして九尾の狐は青に対して身構える。


「つっ、見逃してくれそうには無いわね。

何者かはわからないけど、ここはもうやるしか!!」


青はそう告げると同時に九尾に対して銃を構えるが、

それを確認したのか先に九尾が青に向かって飛びかかってくる。


「くっ、先に飛びかかってきたわね……しかも動きも早い。

だけど単調だわ」


青はそう告げると横飛で九尾の飛びかかりを回避し、

そのまま反撃に移ろうとする、だが九尾はそれに反応したのか

直ちに方向を変えて飛びかかり、再度青に対して飛びかかろうとする。


「つっ、動きが早いわね……あれだけの速度で動いてくるなんて」


青は更に飛びかかりを回避すると九尾に対して銃を構え、直ぐに発砲する。

だが九尾の速さはそれを上回っており、銃弾を回避しつつ更に接近してくる。


「つっ、あの速さをどうにかしないと……」

そう告げると青は何か作を考えようとするが、

九尾のスピードに翻弄されており、中々打開策を考える事が出来ない。


「つっ、このままではジリ貧になるわね……

だったら一か八かでするしか無いの!?」


そう呟いた青は銃を正面に構え、

そのまま九尾に対して一直線の場所に構える。

そして九尾が飛びかかってきたのを確認すると


「今だわ!!」


そう叫んで九尾に対して銃弾を撃つ。

放たれた銃弾に対して九尾は避けるでも無く突っ込んでくるが、

銃弾と正面からぶつかる。

だが銃弾はその身に命中する事無く体を通り過ぎていく。

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