第三百七十六話 ホールに到着する時

「では早速参りましょう!!」


高御が兵士の提案を受け入れたのを確認すると

兵士は喜び勇んと言わんばかりに足早に会場へと向かっていく。

その後をついて高御達も会場へと動いていき、

その入り口の前で立ち止まる。


それは先導していた兵士が立ち止まったためであった。


「君達、例の通路に対しての対処は終わったのか?」


そこに立っていた上官らしき兵士が

高御達を連れてきた兵士に問いかけると


「ええ、ESBの皆さんが来て下さった事もあり、

大きな被害を出す事も無く終わらせる事が出来ました」


と返答し、その直後に高御達が顔を見せる。

それを確認した兵士は


「ESBの皆さん、此方に戻られていたのですね。

いえ、既に連絡を受けてはいましたが……」

「直接確認出来るまでは事実かどうかが不安だった、

そうおっしゃりたいのですか?」

「ええ、戦場で不確定な要素を当てにする訳には

行きませんからね」


とミスティと会話をかわす。

それを聞いた兵士がこう返答するとミスティは


「ええ。それはその通りですね」


と納得した返答を行う。

それを聞いた兵士は


「納得して頂けたようで何よりです。

ですが皆さんはどうして此処に?」


上官らしき兵士は当然のようにこの疑問を投げかけてくる。

それを聞いたエリーは


「ピープルの第二波が来る可能性があるので

念の為警備を手伝って欲しいとそちらの方からお願いされたので」


と事実を返答する。

それを聞いた兵士は


「そうですか、では私からもお願いします」


と案外直ぐにその提案を飲み込む。

それを聞いた直後に兵士は


「では皆さんにはホール内部の警備をお願いしても宜しいでしょうか?

正確に言えばホール内部の、より正確に言えば月節勇也君が歌っている会場を

警護してほしいのです」


と高御達に何処を警護してほしいかを伝える。


「ホール内部?そこまで警護を行うのですか?」


指定された場所が引っかかるのか、七宝は思わず問いかけ直す。

だがそれに対して兵士は


「ええ、皆さんにはホール内部を警護していただきたいのです。

万が一の為に」


と明確に返答する。

それを聞いた神楽は


「つまり、ピープルが最終的に到達する場所を防衛して欲しい。

そう解釈して宜しいのですね?」


と再度確認する。

それに対しても兵士は


「はい、外側は我々が守りますが本当に万が一の時があれば……」


と同様の返答を行う。

それを聞いた高御は


「分かった、向かわせてもらうよ」


と言ってその場からホール内に移動していく。

それを確認した上官は


「さて、彼等に楽しんでもらわないとな」


と意味深な発言をする。

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