第三百四十七話 砲台攻略戦を開始する時

そして出撃体制に入ると同時に警報装置が鳴り始める。


「このタイミングで警報装置が鳴り始めるって事は……そろそろ来たって訳だね」


出撃準備を整えた明帝がそう呟くと同時に戦艦内に


「作戦宙域に接近、敵から攻撃を感知しました。

各員は直ちに出撃し、敵部隊を迎撃して下さい」


という機械の声が響く。

その声は無機質であるが、戦場であると考えればその方が寧ろ自然であるとすら思えた。

そしてその声と同時に出撃口が開き、各員がそこから出撃していく。


「さて、僕達も行くよ!!」


アデルの声と共に兵士二人も出撃する。

すると目の前には既に異星連合の兵器が並んでいた。


「結構な数が並んでいるように見えますが、砲台の重要性を考えると少ない気もしますね」

「その理由は色々考えられるけど、今は目の前の敵を薙ぎ払うのに集中して!!」


兵士が疑問を口にするが、アデルは迎撃を優先するように呼びかける。すると兵士は


「そうですね、彼等に我々の力を見せる為にも!!」


兵士はそう鼻息荒く異星連合の部隊に接近していくと同時に兵器を武装で撃墜していく。


「しかし、よく考えるとこの機体も彼等の技術で強化されているんですよね、それがこれだけ扱いやすいとは……本当に不可思議なものです」


兵士がそう告げると共にアデルは


「全く以てそのとおりだと思うよ、只、君達の機体はあくまでベースが君達の機体でそれに技術を加えただけだからね、全くの新規の兵器はその足元にも及ばないと思う」


と兵士達に告げる。


「え?それはどういう……」

「それを説明するまでも無く彼等が今証明してくれるよ」


兵士が又しても疑問をアデルに投げかけるが、アデルはそれに対して返答するのではなく目の前の光景を見る様に促す。

するとその目の前では


「ダークネス・ウエーブ!!」

「XLINKスピサール!!」


という声と共に黒い波動、縦横無尽に動く屋を放つ神楽の機体とエリーの機体が異星連合の兵器を次々と撃墜していた。


「あ、あれは一体……矢が自動で動いている様にも見えましたが……」

「そういうシステムだから……としか言い様がないんだよね……僕も一応話は聞いたけどどういう理屈でそうなっているのか未だに分からないんだよね……」


兵士が困惑した表情をみせ、かろうじて出した声でアデルに呼びかけるものの、アデルも困惑した声を出すしか方法が無かった。


「って、いつまでもこうしている訳には行かない、僕達も戦わないと。

作戦開始前から何度これを言ってるんだよ僕達は!!」


アデルはこの状況でも尚自分達が戦っていない事を把握し直ちに気合を入れ直す。

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