第百五十七話 再びゲートが開く時

「ええ、前回の襲撃から然程間が経っていない以上、何らかの隠し玉を用意している可能性もないとは言い切れません」

「分かった、君達の機体はそちらに持っていっている筈だね、直様出撃して。

物資の補給は現地の住民にして頂いて宜しいでしょうか?」


青がその理由を告げると高御はこう告げると西欧代表に確認する。

それを聞いた西欧代表は


「ええ、物資を配る位は現在の現地住民達でも可能です。

只、その為には現地と連絡を……」

「それなら現在僕達が使っている通信回線を使って下さい!!そうすれば直ぐに会話出来ます」


西欧代表がこう告げると青は現在使っている通信回線を使って現地に言葉を届けるように告げる。

現在の場所では地球製の通信機、電話が使用出来ない事を承知しているが故だろう、

その言葉を聞いた西欧代表は


「分かりました!!現地の皆さん、聞いて下さい」


と言って通信機越しに呼びかけを開始する。

その声に反応したのか青の周囲に居た住民が一斉に通信機の方を振り返る。

それを確認した青は通信機を何か操作した後に何処かへと移動していく。


「今のは何をしたのですか?」


中東代表が問いかけるとエリーは


「恐らく青が通信機の映写機能を使用し、上空に西欧代表の姿と言葉を投影したのだと思います。

そうしなければ周囲の住民に気付いてもらう事は出来ないでしょうから」


と今青が行った行動について説明する。

一方西欧代表はその言葉も耳に入らない程の熱を込めて話しかけ続けていた。


「ワープゲート宙域に到着するまで後数秒です!!兵器は既に交戦体制に入っています」


そこに青が戦艦の通信機から声を送ってくる。


「分かった、くれぐれも油断はしない様にね」


高御がそう告げると青は黙って首を縦に振り通信を切る。

その直後に近くに居た男子と女子が


「青、高御様への連絡は終わったんだね」

「アビル、うん、今終わった所だよ」

「後十秒で現地に到達するよ、そろそろ僕達も出撃準備にかかろう」

「ミルファも呼びに来てくれたんだね、今行くよ」


アビル、ミルファと男子、女子に対して呼んだ後に格納庫へと向かっていく。

そして格納庫に到着し機体に乗り込むとまずは目の前のモニターを起動する。

そして手元の機器を操作し始めると周囲に待機していた他の機動兵器が動き始める。


「ワープゲートの状態はどうなってる?」

「もうすぐ開いて来るよ!!まずは無人機を出撃させて様子を見よう」


ミルファと呼ばれた女子は青にこう呼びかけると前方のゲートが開く。

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