第百四十五話 異形の秘密に迫る時

「つまり……あの異形は戦う為だけに作り出された生物と言う事?

もしそうだとしたら……」

「ええ、あの異形は生物という名の兵器、そう考えた方が的確かもしれません」

「それが事実だとしたらあの異形が生み出された世界も戦いに満ちていると言うことなのでしょうね」

「ええ、それに戦う為だけの能力を持った生物が生み出されていると言うのであればその世界も混沌に渦巻いているのは想像に難くないですね」


そう告げると共に神楽達は満場一致で納得した表情を浮かべる、だがアデルの側近の兵士は


「戦う為だけに生み出された存在……いえ一寸待って下さい。

その異形がこの世界とは異なる場所であるとしてもそうした生物が生み出されたとは?

その発言だとその生物は作為的に生み出されたと言うことになりませんか?」


と疑問を投げかける。

しかしその疑問に対してアデルは


「恐らくその通りだと思う。

その異形は人為的に生み出されたという事なんだろう」


と返答しそれに対して七宝も


「ええ、あの異形達には生殖機能、つまり自分達で数を増やす術を持っていませんでした。

そうであるなら何者かが外部から生み出したと考える他ありません」


とその発言を肯定し


「そしてそんな生物を生み出している連中が良心的な存在だとは思えない、当然何者かが戦乱を起こしていると考えた方が良いだろう」


と高御も言葉を続ける。


「つまりその世界も戦乱が引き起こされておりこの世界も巻き込む可能性も考えられますね」

「ええ、僕達が見たあの映像にも繋がるかもしれない……そう考えると恐ろしい話です」


明帝、エリーも発言し、あの異形が今後新たな脅威になる可能性は大いにある事がある事を想定する。


「そもそも別世界から繋がっているという事実が問題です。

その世界がどうなっているのか、その点も気になりますし、場合によっては此方の世界に侵攻してくる可能性も十分考えられます」

「異星連合と同様の驚異と成り得ると言う訳ですか、それにワープゲートを経由している以上マルティー本星に対して仕掛けて来る可能性も考えられる」

「戦うためだけに生み出される存在……その存在を許す訳には!!」


明帝とアデルの発言に続き、ミスティは何処か強い発言を行う。


「あの異形の生体にお話を戻して宜しいでしょうか?」


七宝が総発言すると神楽は


「そろそろ戻った方が良いだろうね、で、他に何が分かっているの?」


と七宝に問いかける。

それを聴いた七宝は


「あの異形は私達の世界の生物とは全く違う遺伝子を持っている、これが此処からのお話の前提です」


と前置きをまず行う。

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