平行世界が交わる時、それぞれの世界は何処へ向かう？

第百二十四話 日本に舞台が移る時

「ええい、どうやら本気である事を見せないと分からない様ですね！！」

そう告げると目の前の人物とその仲間はミスティに飛びかかってくる。

「一斉に飛びかかって来るとは……強引な押しですら無いですね」

ミスティはそう言うと飛びかかってきた集団に対し回し蹴りを放ちそこから衝撃波を放って一掃する。

「ぐうっ……何っ……」

その衝撃波を受けた人物達はその場に蹲まる。

「やれやれ……こんな簡単にボロを出すとは……調査員と言っても大した事は無いのか、それとも私の目の前にいる連中が間抜けなだけなのかどっちなのかしら？」

蹲っている人物を目の前にミスティがこう発言するとその人物は

「ええい……我々の事を調査員と言う事はやはりお前は……そしてそのアデルと言うのは……」

と苦しそうな声を辛うじて絞り出す様な発言をする。

それに対してミスティは

「それを聞いてどうするの？貴方達がアデル君と顔を合わせる事は無いのよ」

とその人物達に発言する。

その発言に人物は

「ええい……やはりお前達があの反逆者を……」

と言い掛けて気を失う。

それに続けて他の人物達も気を失いその場に倒れ込む。

「偵察員と言うのは体力には自信が無いのかしらね？

だけど脱出艇の大きさに反してこれだけしか人数が居ないとは思えない。

こいつらを拘束して情報を聞き出し、残っている偵察員が存在しているかどうか調べなければ」

ミスティはこう告げるとその場に倒れ込んだ集団に対して転移妖術を発動させ、何処かへと転移させる。

それを確認した後自分も何処かに転移しその場を後にする。

一方その頃日本に転移した高御も又降下地点の付近を調査していた。

「地面に抉れた痕か……やはり此処に降下したのはまず間違いない。

だとするとココから移動するのは……」

高御はその移動先を予測しどの辺りに向かっているのか思考を張り巡らせる。

そしてその予測が付いたのか何処かへと移動していく。

そしてそのまま先に向かっていくと公共交通機関の付近に神楽が出現させた機器が設置されているのが見える。

「神楽が出現させた機器がもう設置されているのか……だとするとそれを使ったら反応が残る筈。

となるとそれは避けたのか、それともただ単にやり過ごしたのか」

高御がこう呟くと同時に近くの商業施設に設置されていた機器が反応を示し、マルティー人がそこを潜った事が確認出来る。

「あれは……どうやら早くもヒットした様だね」

高御はそう告げるとその施設の入口へと向かっていく。