第九十三話 解析を報告する時
「ええ、此方の侵攻を一度ならず二度までも防いだ勢力、今後の懸案事項に成り得る存在と考えて良いのでしょうね」
「それに此方の部隊が帰還していない以上、敵のデータを収集する事も出来ていません、この点も厄介ですね。
此方の部隊が敵の手に落ちていたとしたら此方の情報が漏れている可能性もあります」
「ああ、今後の侵攻の為にも新型の開発を進めた方が良さそうだな」
「あと、此方側の兵士の調整も必要ですね」
星間連合の上層部らしき三人の会話がこれで終了するが、この会話の流れは今後の戦乱の幕開けである事を意味していた。
それから一週間が経過し、高御達とアデル達は多くの機器に囲まれた部屋に集まっていた。
機器の全容はモニターがかなり多く、そこがデータルームである事は容易に想像出来た。
「僕達もこの部屋に集められたという事はマルティーのデータについて何かご報告があるのでしょうか?」
「ええ、貴方達が提供して下さった色々なデータを調べてみた結果、今後に備える多くの手掛かりを得る事が出来ましたのでそれを報告しておいた方が良いと思いまして」
アデルが質問すると神楽が返答し、周囲に備え付けられているモニターに様々な文章や画像を表示させていく。
「これは……私達が提供したデータに関連した何かの様ですが?」
「ええ、貴方達が提供してくれたデータを解析してみた結果です、特に兵器の技術について多く分析してみたのですが、私達が使用している兵器の技術との整合性、親和性が非常に高いと言う事が分かりました。
つまり、私達の技術とマルティーの技術は並行して使用する事でより互いに効果を高めあっていけると言う事です」
「マルティーの技術と皆さんの技術が?それは一体何故……」
「そこまではまだ分かっていません、いえ、申し訳ございませんが今回提供していただいたデータからはそれを把握する事は出来ませんでした」
アデルと七宝の会話からマルティーの技術と神楽達の機体に用いられている技術は整合性がある事が分かる。
「この技術を用いれば此方の戦力も増強する事が可能でしょう、つまり、此方から戦力を整える期間が短縮できるかも知れません」
「それはそうかも知れませんが、そう簡単に技術を融合させる事等簡単に出来るのですか?」
七宝がその整合性についての解説をするが、それを聞いたアデルはそう簡単に技術の融合が出来るのかと言う質問を投げかける。
最も、それは至極真っ当な疑問ではあるが。
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