第八十七話 ゲートを封じ込める時
「本当か明帝!!」
「うん、パウ、君の能力ならあのゲートの機能を封じ込める事が出来る、今から転送するデータを元にその調整と実行をお願い」
クウォスが大声で叫ぶと明帝は明確にこう返答し、その鍵がパウにある事を告げる。
そしてそれを聞くとパウは
「分かったわ、早く転送を……よし、これなら行けるわ。
だけどここからだと距離がありすぎる」
「なら俺が突破口を開いてやる!!
アデル君、少しの間持ちこたえられるか?」
「何か策があるのですね……ええ、持ち堪えてみせます」
「良い返答だ、バリアを解除するぞ」
明帝から転送されたデータを元にしてパウは何かを思いついたものの、それを実行するには距離があると告げる。
それを聞いたクウォスが突破口を開く為にアデルにバリアを解除する事を告げるとアデルはそれを承諾する。
するとクウォスは
「ハルバード・クウォス……その名の如き槍となれ!!」
と言って機体の変形機構を起動して槍の様な外見となり、更に展開していたバリアを自機の周囲に収束させて先端を鋭くする。
「行くぜパウ!!」
「ええ、何時でも」
パウに行動の開始を告げるとクウォスは機体を敵部隊に向かって進撃させ、そのまま勢いを止めずに進路上の敵を収束させたバリアに直撃させて破壊していく。
その先端が鋭い事もあり、正に敵に向かっていく槍の様な見た目だ。
「この辺りで問題は無いわ!!」
パウがそう告げるとクウォスはその場で減速し機体を再び最初の形態に戻す。
それを確認したパウは
「XLinkランチャーチャージ完了!!行きなさい」
と言ってチャージしていた手持ちの大型火器から紫色のビームをワープゲートに向けて放ち、そのゲートに直撃させると同時にそこを紫色で包み込む。
「な、何だ!?ゲートが塞がれて……いやそれ以前に中を移動中の部隊から……」
交戦している部隊の兵士が動揺した声を上げると同時にその体制にも乱れが生じ始める。
何しろパウやクウォスが真っ只中に居るのに誰も攻撃をしないのだから。
「この程度で乱れる兵士なんて所詮その程度のレベルだね!!XLinkプライア」
そこに明帝が乱入し、機体のブースター部分から多数のビームを放って交戦中の部隊を次々に破壊する。
「皇子、一体何が起こっているのですか?」
「大凡の検討は付くけど、此処でじっとしていたら答えは教えてもらえない、僕達も行くよ」
「はっ!!」
一部始終を見ていたアデルの護衛だが何が起こっているのかどうかは今ひとつ理解できていない様子だ。
そんな兵士とは対象的にアデルは理解しているようだがそれは今は確認出来ないと思ったのか兵士に発破をかける。
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