第七十八話 地下に降りていく時

「ええ、私達の世界を狙う外宇宙生命体、それが既に侵攻しようとしていたのは既に確認している。

それに対抗する力をつける為に試行錯誤を繰り返して来た」

「そしてもう一つ、異なる世界についての調査も開始している、しかしそちらについては今の所手がかり無しだからね」

「そちらについても追々調査はしていきます。

しかし既に外宇宙からの侵略者が動いてきた以上、まずはそちらへの対応を優先するべきかと」

「その点については考えるまでもない話だね、引き続き宜しく頼むよ」


その後の会話から一同が外宇宙と他の世界の調査を最優先事項としている事が分かる。


「じゃ、私達はその調査の為に一度離れますね」

「ああ、結果が判明次第伝えて欲しい」


エリーがそう告げると高御はこう返答し、エリーと神楽、七宝と言う今回出撃した三人が部屋から外に出ていく。

そのまま三人は足並みを揃えて何処かへと向かっていく。

その足の向かう先には地下への階段があり、三人は地下に向かっていく。

その先には兵器の格納庫が存在していた、そこで七宝が


「じゃ、私は此処で離れるわね、後でお互いの情報を持ち合いましょう」


と告げるとエリーは


「ええ、じゃあ私はこの先に行くわ、神楽は状況に応じて何方にも協力してくれるのでしょう」


と返答し、その言葉の中に含まれている神楽は


「ああ、私は何方にも協力するよ、そしてその情報を纏めるっていう役割もあるからね」


と返答する。


「ならまずは私の方に来て欲しいの、私の方が人数が必要だから」


エリーはそう告げると神楽に協力を要請し、神楽は頷いてエリーと共にそこから先にある部屋に向かっていく。

それを見届けた七宝は


「さて、お仕事しないとね……」


と呟くと


「分析の眼……さあ、全てを見通すわよ!!」


と言うと眼に何かを集中させ始める、そしてそのまま部屋の中にある何処かにその眼を向ける。

その先には先程の戦闘で鹵獲した異星人の兵器が集められていた。

そのまま七宝が目線を向け、少し立つと七宝は


「成程、そういう風になっているのね、その一方で単体では……となると」


と言うと更に兵器の方を凝視する。

一方別の部屋に向かったエリーと神楽は何処かの部屋に辿り着いていた。

そこは監獄の様な集団を収監して置く部屋であり、中に誰かが居た。

更にその外には組織の構成員らしき人物が見える、中をこまめに確認している辺りどうやら監視員の様だ。


「監視お疲れ様、様子はどう?」

「エリー様に神楽様、ご足労ありがとうございます」

「相変わらず様付けで堅いんだね、ご足労って程でもない距離なのに」


エリーが監視員に問いかけると監視員はこう返答し、そこに神楽が少し誂うような発言を加える。

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