第七十六話 戦果を報告する時
すると其の目の前には今回の戦いで出撃した神楽、エリー、七宝だけでなく明帝やパウ、クウォスやミスティも居た。
「そう言って頂けますと幸いです。
この日の為に色々と準備を整えてきた……いえ、現状も整えている最中ですが」
「遂にこの時が来てしまったのですから」
神楽とエリーが声を揃えて高御に敬意を払った発言をすると高御は
「ああ、本来なら僕が戦陣を切るべきだったのに君達に任せてしまったね」
と少し申し訳無さそうな口調になる。
そんな高御に対し神楽は
「仕方ありません、高御様の機体はまだ調整が終わっていないのですから。
あれだけ複雑な機構となってしまうとそう簡単には終わらせられません」
と経緯を払いつつも何処か一方で諭している様な発言を行う。
口振りから考えると高御の機体について何か知っている様だ。
「ええ、私の機体も同様ね……だけどそれでも感謝しなければ。
私達の無理無茶をきちんと聞き入れてくれて居る機体なのだから」
エリーも又高御と同様、申し訳無さそうな一方で何処か感謝しているような表情を浮かべる。
それは下心が有る雰囲気ではない。
「で、話を変えてもいいかな?」
「あ、ああ、構わないよ」
明帝が話題の変更を提案すると神楽はそれを了承し、話題は
「今回の一戦で拘束した兵士、そして鹵獲した機動兵器の調査は進められそう?」
という一言から先程の戦場で鹵獲した的についてに移る。
「ええ、異性の勢力では有るけど私達の力は通用したわ。
そうであれば調べる事も出来るでしょう、最もどれくらいの情報を聞き出せるかはあの兵士や機体が末端かそうでないかによっても変わってくるでしょうから未知数だけど」
「敵の指揮官らしき存在は確認出来なかったからね、少し渦を閉ざすのが早かったかも知れない」
七宝と神楽が明帝の質問に対しそれぞれ返答すると明帝は
「いや、未知の相手に対して欲を出すのは禁物だよ、そう考えるとあの判断は正しかったと思う。
それに此方の機体も初出撃だ、不確定要素が多すぎる」
と回答する。
「そういえば、機体の方は問題なかったの?
此方の戦力も徐々に整いつつは有るとはいえ、柱となる機体がまず必要でしょう」
パウがそう訪ねてくるとエリーは
「ええ、機体自体は全く問題は感じられなかったわ。
この調子で量産機も揃えていきたい所ね、あと……彼等の機体も」
と返答するが、最後の方は明らかに尻すぼみになっていた、何か思う所があるのだろうか?それは他の面々も同様の様でエリーがそう口にすると同時に表情が変わっていく。
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