第七十二話 兵器が侵攻してくる時
「この警報は一体何なのです?異変が起こったのですか!?」
突然の警報に交渉の参加者達は一斉に困惑しパニック状態になる。
只でさえ今まで来た事の場所に越さされている上に突然の警報であり、どれだけ経験を積んだ大人であっても動揺しても仕方ない状況ではあるが。
「つっ、此方の想定より早く来ましたね……皆さんの安全は我々が責任を以って確保しますので渡しについてきて下さい!!」
高御が今までよりもやや甲高い声を上げると同時に首相に呼びかけ、その声に対して首脳達は従う他なかった。
どの道他に選択肢は無いのだが。
そのまま首脳達を何処かへと案内した高御はとある部屋に首脳を集め、その部屋に設置されている巨大なモニターの電源を入れる。
するとそこには信じられないものが映し出されていた。
「あ、あれは一体……空に穴が空いているとでも言うのですか……」
映し出されたのは遙か上空に穴が空いている様にも見える黒い渦が出現しているという光景であった。
「あれは一体何なのです?それに貴方達は……」
「それはその目で見て頂いた方が早いと思います」
各国首脳に対し高御がそう告げると同時にその渦の中から何かが出現する。
それは今まで全く見た事が無いロボット、否巨大兵器というべき存在であった。
「な、何だあれは……兵器?それも一機や二機では無い!!そもそも何処から出現しているのだ……」
今までも常識を大いに上回る事態の多発に各国首脳も混乱を隠せず、更にそれが増していく。
「遂に来たよ、皆……準備は良い?」
高御がどことなくそう呟くとそれに呼応するかの様に現れた兵器の前にそれとは明らかに使用する技術が異なっている兵器が出現する。
「又新たな兵器が出現しただと……一体何がどうなっている!?」
「困惑されているのは分かります、ですが後から出現した兵器は僕の同志達です、決して貴方達に牙を向く事はありません」
高御がそれを告げると同時にそれを証明するかの様に後から出現した兵器達は先に出現した兵器を瞬く間に蹴散らしていく。
その中にある見た目は鋭角で悪魔の様な外見をした兵器のパイロットは
「此処から先には行かせない!!必ず此処で殲滅してみせる」
その声から乗っているのは神楽であると分かる。
そう告げると神楽は兵器に接近していき、次々と兵器を蹴散らして行く。
だがその直後に渦から次なる兵器が出現して来る。
「又次の兵器が……一体あの兵器は何が目的なんですか?」
「詳細は僕達も掴んでいませんが、友好的で無いというのは確かでしょうね」
首脳が疑問を投げかけると高御はこう返答する。
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