第五十九話 住民が戦う時

「ええ、そしてここから声が聞こえてくるという事はそちらも上手く行った様ですね」


神楽がそう返答すると渦の奥から


「はい、此方側に居た残存戦力の構成員は全て身柄を拘束しました!!残っているのはそちらに向かった連中のみです」


という声が聞こえくる。

それを聞いた神楽は


「分かった、後は此方で身柄を拘束する。

だけどその前に……」


と言うと


「ええ、分かっています」


と言う声が渦の奥から聞こえてくる。

それを聞くと神楽は


「転輪の断絶!!」


と言って手元に鋸の様な刃を出現させ目の前の渦に向けて振り下ろす。

するとその渦に罅が入り砕け散る。

それを確認すると神楽は


「さあ、急がないとね」


と言って先に向かった住民の後を追跡していく。

その頃先行した住民達は


「見つけた!!逃さない!!」


という声と共に先程逃走を図った怪物達をその視界に捉える。


「ちっ、目的地まで後少しだって言うのによ!!」


怪物がそう叫ぶと追跡していた獣人は


「ウォーター・ウォール!!」


と言って怪物の目の前に水の壁を出現させ、その壁で怪物の進路を塞ぐ。


「ちっ、ここから先には行かせねえって訳かい!!」

「当然でしょう!!あんた達の考えてる事は検討が付きます、この先にあるエネルギー施設を破壊するつもりなんでしょう」


怪物が顔を見て怒声を上げると獣人は強い口調で反論する。

そしてそのまま怪物に接近しようとするがその時怪物が


「ダークブラスター、行け!!」


という声と共に両手から闇の魔力を放って攻撃してくる。

それに反応した人間と住民は魔力を回避し、そのまま銃を構えて怪物を攻撃する。


「ぐうっ、やってくれるな……だがここから先に行けば……」


と言うと水を掻い潜って先に進もうとする。


「つっ、水を掻い潜って先に進んでいこうと……早く対処しないと!!」

「残念だが体力は自信があるんでな!!」


怪物の一体は水を掻い潜って先に進んでしまう、それを確認した人間は


「奴は僕が追跡します!!皆さんは残っている怪物を掃討して下さい」


そう言うと人間の中の一人が怪物の後を追跡し、他の面々はその場で怪物達と対峙する。


「あの施設まで向かえば俺達の勝利だな!!そしてたかが一人が……」


怪物がそう言いかけると人間の一人が銃をうち、その口を黙らせる。

更にそこに追撃をかける様に獣人が怪物に対して火球や球体の水を次々と放って攻撃しその場に倒れ込ませる。

そこに遅れてきた神楽が到着し


「君達が倒してくれたのか……」


とだけ告げる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る