第26話 スキル検証その3 男根再生
男根再生Lv3
僕はいままで、このスキルの効果を検証することもなく見て見ぬ振りをしてきた。
なぜならスキルの効果は名前を見れば明らかだったし、検証するには男根を傷つける必要がありそうだったからだ。
たとえスキルで治る可能性が極めて高くても、自分のアソコを好んで傷つけられる男なんているわけがない。少なくとも僕は怖くて無理だった。
なので僕はこのスキルは見なかったことにして、一生使う機会なんてありませんようにと祈っていたのだけど……アリシアの体力にどう立ち向かうか考えていたときにふと思ったのだ。
男根分離スキルによって股間からアソコが切り離された状態でこの汚い再生スキルを使ったらどうなるのだろう、と。
男根分離でアソコが切り離された状態とはつまり、股間からアレが欠損した状態とも言える。ある意味では男根再生を発動させる条件は整っているわけで……僕はついにこの禁断のスキルを検証してみることにするのだった。
「じゃあ……いくよ」
「……うん」
その日の夜。
ダンジョン攻略の拠点から街の宿へと戻ってきていた僕とアリシアは、ベッドの上で真剣な表情を浮かべていた。
「まずは男根分離」
ポロッ。
僕の股間からアレが分離し、ベッドの上にどさっと落ちる。
いままで僕のアレが生えていた部分は最初からそうだったように凹凸のないつるつるになった。いつ見てもぞっとする光景だ。
そして僕は続けて、そのスキルの名前を口にする。
「……男根再生」
と、次の瞬間。
パアアアアアアアッ!
僕の下半身を光が包んだ。
「「っ!?」」
僕とアリシアは目を丸くする。
それはまるでアリシアが回復魔法を使うときのような光で――その神々しい光がおさまったとき、僕の股間には新しいアレが生えていたのだ。
そして驚くべきことにというか予想していた通りというか……先ほど分離した僕のアレはベッドに横たわったまま、元気に脈打っていた。
つまり色も形も大きさもまったく同じアレが2つ、僕たちの目の前に出現していたのである。
「ふ、増えた……本当に増えちゃった……」
期待していたこととはいえ、実際にアレが増えたことに僕はドン引きしてしまう。
相変わらず僕の〈ギフト〉は最低な方向ばかりに優秀なようだった。
「……凄い……エリオのお馬さんが2本も……夢みたい……」
と、アリシアが陶然とした表情で分離したアレ(「古男根」とでも呼ぼうか)に手を伸ばす。僕はその光景に赤面しつつ、唾を飲み込みながら見入っていた。
なぜならこの男根増殖実験は、増えた男根がアリシアとの「仲良し」に使えるかどうか検証することが一番の目的だったからだ。
増えた男根が「仲良し」に使える機能を残したままなら、来たる性欲のシンギュラリティへの心強い武器になる。そう期待して、僕は今回のスキル検証に臨んだのである。
――そして詳しくは言えないけどその検証結果がどうなったかといえば。
まず嬉しいことに、僕の身体から分離した古男根は仲良しにもばっちり使えた。ただ、分離後のアソコとは感覚を繋げられるかどうか選択できるはずなのだけど、古男根とは感覚が繋がらなかった。
けれど嬉しいことに古男根でも適正男根自動変化というスキルが発動してくれた。
適正男根自動変化。
先日新しく発現したこのスキルの効果は、僕のアソコを自動的に変形させるというもの。
それも目の前の女性が最も気持ち良くなるようにアソコの形を変えるという非常に頭の悪いスキルだった。
けどその効果はかなりの高性能。
アリシアにせがまれるかたちで何度も試した結果、どうやらこのスキルは女の子の状態にあわせて常にアソコを最適な形に変え続けるようで、マンネリ防止にも完全対応しているようなのだった。
このスキルのおかげで僕はいまアリシアを短時間で満足させることができており、しっかりと睡眠時間も確保した健全な性活を送ることができているというわけだった。
そして今回の検証において古男根にも適正自動変化が発動した結果、アリシアはそちらでも大満足。
男根再生スキルによるアソコ増殖の有用性は完全に立証されたといってよかった。
1年後か10年後か。
仮にアリシアが性欲のシンギュラリティを起こしたとしても、2本目3本目の矢があればきっと対処できる。アリシアと末永く健全に「仲良く」していけるはずだ。
と、ひとまずほっとした僕の脳裏に、ふと素朴な疑問がよぎる。
「分離した古いアソコには適正男根自動変化が付与されてた……なら他のスキルはどうなんだろう」
本当はいますぐベッドに横たわるアリシアを抱きしめたい衝動に駆られていたのだけど……僕は自分の理性を鍛える訓練も兼ねて頭をよぎった疑問に意識を集中させる。
アリシアの姿を見て赤面した頬を冷ますようにしながら、その疑問についてすぐさま検証し始めるのだった。
男根再生の可能性は多分、アリシアの欲求不満解消だけには留まらない。
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※2021.10.14 「検証」過程を大きく削りました
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