第7話 「シアワセよがり」

『好きな人のことを考えると幸せな気持ちにならない?』


そう言った、友達の照れた顔が可愛かった。

くすぐったくて、心地よくて、あったかい。

そしてシアワセ。


誰かのことを想う時、自分のことが置き去りになる。


ちょとだけ笑う唇。

潔い目の光。

空を仰ぐ横顔。

短かすぎる髪に、言葉を探した床屋の帰り。

太くて丸い指先。

カサついた頬。

「いつだって、味方だから」低くて、深い声。


シアワセな瞬間にひとり。

置き去りのままの自分。

いくつか季節を見送っても、

まだ最後のひとの欠片、並べてる。


そう、ひとりなんだな、私。

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