夏のたより
百桃
第1話
「ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ」
目覚まし時計を手探りでとめて私の一日はスタートする。それから顔を洗い、歯磨きをし、天気予報を見ながらご飯を食べて、着替えをすませ、軽く化粧をして家を出た。いつもと変わらない朝だ。アパートを出ると、今年初めてのセミの鳴き声を聞いた。今年は去年より少し早い気がする。こんなことを覚えているのは私だけかもしれない。私はふっと息をはき、空を見上げた。10回目...。
「何が10回目なの?」声に出している自覚はなかった。はっとして振り返ると、そこには1人の男の子がランドセルを背負って立っていた。彼の名前は若月世那。先月私の隣に越してきた子だ。なぜだか私に懐いており、朝の時間が同じ時は、おしゃべりをしながら一緒に歩き、彼は学校へ、私は職場に向かうために駅へそれぞれ別れる。それから私は電車で5駅先の職場に向かった。
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