第三の主治医、Y院長
21.始まった多剤大量処方地獄
S先生からY院長に変わってすぐ、私の薬は色々と変えられた。その処方で以前書いた『就寝時の腕の振り下ろし』が治った。それで私と母は一気にY院長を信用しきった。Y院長は話は良く聞いてくれるし、携帯電話の番号も教えてくれて、具合が悪くなった時は診察室じゃなくても相談に乗ってくれる先生だった。だから、信頼感が深まるのは当然の事だった。
しかし、Y院長は薬を出す時にある癖があった。
症状を訴えると薬を追加する。しかし、「この症状は治まりました」と報告しても、それに対する薬は減らない。ただひたすら薬を積み重ねて行くのだ。
そんな感じだから、私は最終的に『副作用止めの副作用止めの副作用止め』を飲むという、わけの分からない状態に陥っていた。副作用のあれこれについては、もう少し後にまとめて書きますね。
Y院長になってからしばらく月日が経つと、一度に飲み干す薬の数は十五錠くらいあって、一日に飲む量は五十剤近かった。完全に多剤大量処方だった。
この頃、私と母はとあるメンタルヘルスマガジンを読んでいた。精神科関連の本は一切読みたがらない母だったが、この雑誌だけは読んでいた。そこで母はY院長に対する疑念、「薬多すぎるんじゃない?」というものが生まれていたらしい。だが、母はインターネットは使えないし、周囲はY院長を絶賛していた。それで、転院という考えが浮かんでも具体的にどうする事も出来なかった。
私はと言うと、どんどん増える薬のせいで、頭は壊滅的に働かなくなり、ただ、呼吸をして生きているだけであった。そして、私はどんどん一人では何もできないメンタルになっていた。
次回はこの一人では何も出来なくなっていく点について少し掘り下げてみようと思います。
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