20.S先生、患者を捨てる。そしてY院長登場

 S先生が主治医になって三年が経った頃、ある日の待合室でこんなウワサが流れていた。


「S先生がB病院を辞めてクリニックを開くらしい」


 私はS先生にその事についての真偽を訪ねた。すると、それは本当だった。


「心療内科と糖尿病のクリニックを妻と開くので、ここを去ります」


 薬は変えてくれなかったが、主治医の交代というのは凄くストレスになるので、私を含め患者の多くはそのクリニックへの転院を希望した。しかし……。


「ここの病院の患者さんは誰一人診ないです」


 と、S先生は言いきった。つまり、私達は全員見捨てられてしまったのだ。もやもやとしながらもS先生が去る日まではお世話になる事に決めた。後任の先生はまだ分からなかった。


 そんな中、またまた入院生活を送っていたある日の事だった。S先生が新院長に就任予定のY先生と並んで歩いてきて私にこう言った。


「今度のあなたの担当はY新院長です」


 Y新院長先生とはデイケアで顔を合わせた事があった。話しやすくて面白い先生だった。週一回しか外来に居ない先生だったが、診察を受けた事のある友人の話ではとの事だった。だから私と母は期待した。「院長になるくらいだし、きっと凄く腕がある素晴らしい先生なんだ!」


 この後、私のこの期待は半分当たって半分外れる事になる。というか、私の人生は決定的に潰される。Y院長による多剤大量処方によってだ。私がこのエッセイで最も伝えたい事は多剤大量処方が人生にもたらす害悪だ。


 ここから約十話はMAXに重苦しい内容になります。なので、出来るだけ巻きで進めようと思います! ほんと頑張って急いで進めます。考え込むと憂鬱になる内容ですからね! MAX重苦しいが終わりの頃においたんが登場して、おいたんが登場すると無雲が死にかてM先生登場、そして回復編となります。 


 読んでいて憂鬱になったら、「現在(令和三年四月)の無雲は煎餅食って元気にカクヨムしている」という事実を思い出し、それでも足りなければ「なんならアイスも追加して」みたいなノリになって下されば幸いです(笑)。


 

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